米調査会社が2013年上半期の半導体売上高ランキングを発表した。価格上昇傾向が続いたメモリを扱うメーカーが軒並み売り上げを回復させ、順位を上げた。その一方で、日本勢が順位を下げた。
米国の市場調査会社であるIC Insightsによると、2013年上半期はメモリの売上増加により、売上高ベースの半導体メーカートップ20社ランキングに多くの変化が生じているという。
2013年上半期の世界半導体メーカーランキング(ICや、ディスクリート半導体、オプトエレクトロニクス半導体、センサーチップのメーカーを含む)のトップ20社のうち、受託製造専業メーカー(ファウンドリ)は3社、ファブレス企業は4社(Qualcomm、Broadcom、AMD、MediaTek)となった。さらに、本社所在地別で見ると、米国が8社、日本が4社、欧州が3社、台湾が3社、韓国が2社となっている。
なお、このランキングには自社工場を持つ企業と、ファウンドリ、ファブレス企業が混在し、売上の一部が二重計算されている恐れがあるとIC Insightsは注意を促している。
対前年比成長率ランキングでは、SK Hynix、Qualcomm、MediaTek、TSMCの上位4社が急成長を見せた。一方で、IntelやAMDといったPC市場に大きく依存する企業では、対前年比売上高の減少が見て取れる。半導体売上高ランキングで2位に食い込んだSamsung Electronicsについては、目覚ましい成長は見受けられないものの、首位のIntelをなおも追う位置に付けている。
その他の注目すべきランキング急上昇企業には、トップ10入りしたBroadcomと、2013年7月31日付でMicron Technologyによって正式に買収されたエルピーダが挙げられる。Micronとエルピーダの売上高を合算すると、2013年上半期の売上高は約67億米ドルとなり、このランキングにおいて「Micron+エルピーダ」の順位は5位に相当する。
一方、2013年上半期のランキングにおける負け組には、順位を5つ落としてトップ20圏外に脱落した富士通と、前年比2%増の増収を記録したにもかかわらず、2012年の18位から2013年上半期のランキングでは21位まで下落したNVIDIAが挙げられる。経営再建中のルネサス エレクトロニクスは、11位となり、トップ10から脱落した。
全体としては、2013年上半期における半導体メーカー上位20社による総売上高は前年同期比4%の増加となり、2013年上半期における世界半導体市場の総売上高の前年同期比伸び率3%を1ポイント上回る結果となった。
【翻訳:松永恵子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.