2012年のスマートフォン向けプロセッサ市場は、Qualcommの強さをあらためて示す結果となった。同社の売上高シェアは43%。一方、Intelのシェアはわずか0.2%だった。だが、「Clover Trail+」がシェアを拡大するきっかけになるとの予測もある。
米国の市場調査会社であるStrategty Analyticsによると、Qualcommは2012年のスマートフォン向けプロセッサ市場で43%の売上高シェアを獲得し、首位の座を維持したという。同市場の2012年の売上高は、前年比60%増となる129億米ドルに達した。
一方、Intelの売上高シェアはわずか0.2%だった。ただし、デュアルコアのx86系Atomプロセッサである「Clover Trail+」が、同社のシェア拡大を後押しする可能性はある。
Strategy Analyticsによれば、スマートフォン向けプロセッサ市場は、垂直統合型のメーカー、すなわちAppleやSamsung Electronicsと、複数のスマートフォンメーカーにチップを提供して成功を収めている数社のファブレス半導体ベンダーに二極化しているという。Strategy Analyticsは、AppleとSamsungが、2012年のアプリケーションプロセッサ市場の売上高のうち、1/4を占めたと見込んでいる。
2012年におけるスマートフォン向けアプリケーションプロセッサの売上高ランキング上位5社は、Qualcomm、Apple、Samsung、MediaTek、Broadcomだった。
Appleは「iPhone」に搭載しているプロセッサ「Aシリーズ」で16%のシェアを獲得した(関連記事:Appleのプロセッサ「Aシリーズ」の系譜)。一方のSamsungは、「GALAXY S III」「GALAXY Note II」に搭載している「Exynos」で11%のシェアを獲得した。4位のMediaTekは中低価格帯のスマートフォン向けのチップで一定の売り上げを得たほか、Broadcomは2012年にSamsungが発売したローエンドのAndroidスマートフォン数機種にアプリケーションプロセッサを供給している。
NVIDIAのプロセッサ「Tegra」は、2012年の出荷数が2011年から横ばいにとどまった。その他、Freescale Semiconductor、Marvell Technology Group、ルネサス モバイル、Texas Instrumentsはマイナス成長となったが、ST-Ericssonと、中国のSpreadtrum Communicationsは飛躍的に成長した。
【翻訳:平塚弥生、編集:EE Times Japan】
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