三ツ冨士繊維工業の「AGposs T1」は、リード線(導線)として利用されていた銀メッキ導電性繊維を薄膜で覆った、ウェアラブル専用繊維である。生体情報やGPS情報を取得できる衣服などを作ることができる。
三ツ冨士繊維工業は、導電性を持つウェアラブル機器専用繊維「AGposs T1」を、大学・研究機関・企業向けに2015年1月19日から発売する。外部からの電波干渉をシールドできるタイプの繊維「AGposs T1Z」も同時に販売を開始する。1万m以上発注した場合の参考価格は、AGposs T1が300円/m、AGposs T1Zが350円/m(税抜き)。
導線と同じ機能を持つ高機能繊維であるAGposs T1は、糸のように高い柔軟性と洗濯に耐えられる耐久性が特長だ。衣服に加工すれば、心拍数、血圧、呼吸量などの生体情報やGPS情報を取得することができる。
AGposs T1は、従来はリード線(導線)として利用されていた銀メッキ導電性繊維「AGposs」に12μmの薄膜被覆を施すことで、糸のような高い柔軟性と、1000回以上の洗濯にも耐えられる耐久性の実現に成功したという。これにより、柔軟性のある配線が可能になって加工の幅が広がる他、ウェアラブル製品の耐久性が10倍以上向上するという。
なお、衣服/布製品向けの繊維メーカーであるフランスのRHOVYLは、医療分野向けの製品開発にAGpossを採用している。今後、三ツ冨士繊維工業は、米国シリコンバレーに拠点を置く企業とも連携し、さらなる研究開発を進めるという。
三ツ冨士繊維工業は、西陣織の製造からスタートしたメーカー。産業資材分野に注力し、医療・健康・IoT分野のビジネス拡大に取り組んでいる。2017年度までに、ウェアラブル製品販売で売上高20億円を目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.