ソニーは2015年2月、2015年度に約1050億円を投資して、2016年6月末までにイメージセンサーの生産能力を1.3倍以上増強すると発表した。同時にゲーム向けLSIの先端パッケージなどの開発/生産を行ってきた大分テクノロジーセンター(以下、大分テック)の事業を2016年3月末で終息させると明らかにした。
ソニーは2015年2月2日、2015年度に約1050億円を投資して、2016年6月末までに積層型CMOSイメージセンサーの生産能力を1.3倍以上増強すると発表した。同時にゲーム向けLSIの先端パッケージなどの開発/生産を行ってきた大分テクノロジーセンター(以下、大分テック)の事業を2016年3月末で終息させると明らかにした。
増産するのは、裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成された半導体チップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された半導体チップを重ね合わせた、積層構造のCMOSイメージセンサー。スマートフォン向けなどで需要が拡大している。
ソニーはイメージセンサーの生産能力として現在、300mmウエハー換算で月産約6万枚を持つ。これを積層型CMOSイメージセンサーの能力増強を図ることで、2016年6月末までに月産約8万枚規模へと引き上げる。投資額として約1050億円を見込んでいるという。
具体的な投資内容としては、長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)Fab2で主に積層型CMOSイメージセンサーのマスター工程/重ね合わせ工程以降の製造設備増強に約780億円を投資する他、山形テクノロジーセンター(山形県鶴岡市/以下、山形テック)、熊本テクノロジーセンター(熊本県菊池郡/以下、熊本テック)の2拠点でそれぞれ主に積層型CMOSイメージセンサーのマスター工程製造設備を増強する。山形テックで約100億円、熊本テックで約170億円の投資を見込むとする。
2016年3月末で事業を終息させることになった大分テックは、LSIを中心とした半導体高密度実装の開発、生産拠点。「事業環境の変化に伴い今回の決定に至った」(ソニー)とし、従業員約220人は集中領域であるイメージセンサーの拠点や大分テックの業務移管先となる他の拠点への異動を予定している。
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