新居氏は、FinFET SRAMの懸念事項として、特性のばらつきの大きさを挙げている。同氏は「ウエハー間、ロット間、同じウエハー内のダイのばらつきなど、グローバルな(包括的な)ばらつきがやはり大きく、ここが最も気にしているところだ」と述べる。さらに「Finになって、いろいろな所に寄生容量が増えた。そのため、“本当に消費電力が下がるのか”という点についてはわれわれも心配している」(同氏)と懸念を口にする。こうしたFinに起因する容量のばらつきは28nmプロセスのプレーナ型MOSFETに比べて増大し、これが速度ばらつきにもつながっているという。
さらに、「配線抵抗が思ったよりも大きい」(新居氏)ことも課題だ。28nmに比べてR(抵抗)C(容量)が増大するので、速度が出ない、動作マージンが取れないといった問題につながると指摘している。同氏は、「今までの経験で設計すると失敗するおそれがある。きちんとRとCを計算して設計しなければならない」と続けた。
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