新居氏は、FinFET SRAMの懸念事項として、特性のばらつきの大きさを挙げている。同氏は「ウエハー間、ロット間、同じウエハー内のダイのばらつきなど、グローバルな(包括的な)ばらつきがやはり大きく、ここが最も気にしているところだ」と述べる。さらに「Finになって、いろいろな所に寄生容量が増えた。そのため、“本当に消費電力が下がるのか”という点についてはわれわれも心配している」(同氏)と懸念を口にする。こうしたFinに起因する容量のばらつきは28nmプロセスのプレーナ型MOSFETに比べて増大し、これが速度ばらつきにもつながっているという。
さらに、「配線抵抗が思ったよりも大きい」(新居氏)ことも課題だ。28nmに比べてR(抵抗)C(容量)が増大するので、速度が出ない、動作マージンが取れないといった問題につながると指摘している。同氏は、「今までの経験で設計すると失敗するおそれがある。きちんとRとCを計算して設計しなければならない」と続けた。
ルネサス、16nm FinFETを用いたSRAMを開発
TSMC、16nm FinFETのリスク生産を開始
Samsungが14nm世代のFinFETを展示、仕様は明かさず
動作電圧0.4V以下を実現する技術を開発、スマホの消費電力も1/10になる!?
「SSDが壊れる」まで(前編)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング