IoTプラットフォームは実際にどのような場面で活用され、効果を発揮するのか。例えば、ショッピングモールのような場所で、カメラの映像を監視する。普段は人がどれくらいいるかを定時データとして、画像解析結果をクラウドに送信する。
ところが、「迷子が発生した」というイベントが発生するという変化が起きる。迷子を探すときに、「青い服を着ている」といった情報から画像を検知し、迷子の位置を予測する。該当するカメラからリアルタイムの動画を送信することができるという。
このような仕組みによって、常に複数のゲートウェイから同時にリアルタイムの動画を受け取るようなネットワークやクラウドを用意する必要がない。「IoTで難しいのはピークのトラフィックをどうするのか、ということだ」と須賀氏は語る。決められたリソースをイベントに応じて有効活用していこうというのが、このシステムの考え方だ。
IoTのビジネス展開はどのように進むのか。従来のプロセスだと予算化するときに「どのくらいの利益が出せるのか」が見えにくい。そのため、事業化の見極めが困難だ。そこで、スモールスタートで軌道修正しながら進めるのを須賀氏は提案している。
そのためにインテルや富士通は社内実践の先行事例やインフラの提供によって、パートナーや顧客とIoTのビジネスサイクルを共に作っていきたいという。
インテルは業界での取り組みも進めている。2014年の春からは「Industrial Internet Consortium」をシスコシステムズやIBMなど5社で創設。エンドツーエンドのソリューションをどうやって構築するかを議論している。
また、デバイス間の相互運用のための「OPEN INTERCONNECT CONSORTIUM」もサムスン電子、メディアテックなどと共に4社で創設。車や家電などあらゆる機器がインターネットデバイスになるにあたって、相互運用を連携して整備していくという。
佐藤氏は最後に「IoTやイノベーションを加速していくために、分野や各国のエキスパートと協力することが重要だ」と語る。そのためには、開発者向けのデベロッパーキットの活用が有効であり、開発キットの提供も今後考えていくそうだ。
今まで接点のなかった顧客とも新しいパートナーシップやアライアンスの可能性を探っていくという。インテル社長の社長の江田麻季子氏も登壇し、「多くの会社と協業していくことで、IoTの未来を日本で実現したい」と語った。
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