もう1つは、「可変ビットレートに対応した符号量制御技術」である。映像を蓄積して配信するサービスでは、配信ビットレートを固定して制御する固定ビットレート制御(CBR:Constant Bit Rate)方式に加え、符号量の割り当てを可変にして、全体の符号量を削減することが可能な可変ビットレート制御(VBR:Variable Bit Rate)方式が注目されている。
NTTが開発した高い精度の符号量推定技術を応用することで、複数の条件の組み合わせに対して、高精度に符号量を推定し、効率的に符号量を割り当てることができる。VBR方式は、CBR方式に比べてデータ量を大幅に削減することが可能となる。
NTT-ATは、H.265/HEVCへのファイルトランスコード用途として、従来のソフトウェアエンコードエンジンを採用したソフトウェアコーデック開発キット及びファイルコンバートソフトウェアを供給してきた。今回、NTTが開発した技術も取り込み、バージョンアップして販売する。
HEVC-1000 SDKは、従来バージョンに比べて、「高圧縮なエンコードを実現し低ビットレート配信を可能とする2パスVBR機能の搭載」、「ARIB規格の時間方向階層符号化やフィールドペア符号化に対応」、「エンコード処理を高速化する予測モードの決定アルゴリズムの効率化」などの機能を追加した。
RealFeel FileCovert 4Kは、従来品に比べて、圧縮性能とエンコード速度のさらなる向上を図り、4K映像に対するエンコード処理時間の削減などを可能とした。なお、2015年8月末には、60フレーム/秒の4K映像を12〜15Mビット/秒といった低ビットレートで圧縮可能な2パスVBR機能や、臨場感ある音を再生できるロスレス圧縮(可逆圧縮)方式のALS(Audio Lossless)にも対応を予定している。
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