CMOSイメージセンサー市場が好調だ。これまではスマートフォンのカメラ向けが多くを占めていたが、車載やセキュリティ、ゲームなど用途が拡大していることで、2019年には150億米ドル規模になるとみられている。
IC Insightsは2015年8月、CMOSイメージセンサー市場における2019年までの成長率予測を発表した。それによると、CMOSイメージセンサーの用途の拡大により、同市場は順調に成長し、2019年には150億米ドル規模になるという。
ただし、2017年と2018年の成長は横ばいとなる見込みで、この理由についてIC Insightsは特に説明はしていない。一因としては過剰供給が考えられる。
IC Insightsの予測によると、2015年、CMOSイメージセンサー市場は前年比14.8%増となる101億米ドルに達する見込みだ。
2014年は、CMOSイメージセンサー市場の約70%(62億米ドル)は、スマートフォンに搭載するカメラ向けだった。この割合は、2019年には49%にまで減少するとみられている。代わって高い成長率を遂げると予測されているのが、車載やセキュリティの分野である。
自動車の安全システムなど、車載向けのCMOSイメージセンサーは、57.4%の年平均成長率で成長し、2019年には21億米ドル規模になるという。2014年には、CMOSイメージセンサー市場のわずか3%しか占めていなかったが、2019年には14%に増加する見込みだ。
セキュリティシステムや監視システム向けは、38.4%の年平均成長率で成長し、2019年には8億9900万米ドル規模になるとされている。
さらに、玩具やビデオゲーム向けも、年平均成長率32.7%で成長する見込みだ。2019年には2億5500万米ドルに達するとされている。
CMOSイメージセンサー市場をけん引するソニーは、車載市場をターゲットとしている。スマートフォン向けCMOSイメージセンサーで確固たる地位を築いた同社は、車載向けでもトップを狙う。
IC Insightsによると、現在のCMOSイメージセンサー市場のシェアは、ソニーが32%でトップ。その後にOmniVision、Samsung Electronics、シャープ、SK Hynix、中国のGalaxyCoreが続く。
なお、ソニーは2015年4月、約450億円を投資してCMOSイメージセンサーの生産能力増強を行うと発表している*)。
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