ソニー、イメージセンサー増強へ450億円規模の追加投資を発表:ビジネスニュース 企業動向
ソニーは2015年4月7日、2015年度に約450億円を投資し、積層型CMOSイメージセンサーの生産能力増強を行うと発表した。同社は同年2月にも約1050億円規模のイメージセンサー能力増強投資を発表していた。
ソニーは2015年4月7日、2015年度に約450億円を投資し、積層型CMOSイメージセンサーの生産能力増強を行うと発表した。現状、300mmウエハー換算で月産約6万枚のイメージセンサーの生産能力を2016年9月末までに月産約8万7000枚まで引き上げる方針。
積層型CMOSイメージセンサーは、裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに、信号処理回路が形成された半導体チップを用いるイメージセンサー。信号処理回路チップに裏面照射型画素が形成された半導体チップを積層する。高画質化や高機能化と、小型化を両立できる技術であり、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器用途で需要が拡大している。
ソニーは2015年2月に、積層型以外のイメージセンサーを含めて、現状6万枚の生産能力(他社委託分を含む)を総額約1050億円を投資して、2016年6月末までに約8万枚へ増強する施策を発表*)。今回、これに上乗せして、需要の増す積層型の生産能力増強を図り、2016年9月末までにイメージセンサーの生産能力を月産約8万7000枚まで引き上げることを決めた。
ソニーのイメージセンサー能力増強イメージ
*)関連記事:ソニー、イメージセンサーの生産能力1.3倍に増強――大分テックは事業終息
今回の生産能力増強策に伴い投資が行われるソニーセミコンダクタ長崎テクノロジーセンター(左)、同山形テクノロジーセンター 出典:ソニー
今回の生産能力増強策では、ソニーセミコンダクタ長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)に約240億円、同山形テクノロジーセンター(山形県鶴岡市)に約210億円の合計約450億円を投資する。投資内容は主に、積層型CMOSイメージセンサー製造に必要なマスター工程、重ね合わせ工程以降の製造設備としている。
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