ソニー「α7R II」を分解:CMOSイメージセンサーの存在感が際立つ
ソニーのミラーレス一眼の最新モデル「α7R II」。35mmフルサイズの裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R」の搭載が話題となった。iFixitの分解では、やはり同センサーの存在感が際立っていた。
ソニーが2015年6月に発表したデジタルカメラ「α7R II」。ミラーレス一眼「α7」シリーズの最新モデルとなる。
約4240万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したミラーレス一眼で、35mmフルサイズの裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R(エクスモアアール)」を搭載している。4Kサイズの映像も撮影することができる。ソニーは、市場推定価格を44万円前後としている。米国では、約3200米ドルの価格となっているようだ。
ソニーの「α7R II」(クリックで拡大)
国内外で注目を集めているα7R IIを、iFixitが分解している。
メインボード表面(クリックで拡大) 出典:iFixit
赤:ソニーのSoC「CXD90027GF」
オレンジ:Micron TechnologyのeMCP
黄:SK Hynixの4Gb DDR3L SDRAM「H5TC4G63CFR」
この他、メインボード裏面には、画像処理プロセッサだと思われるソニーの「CXD4236-1GG」、32ビットのARM「Cortex-M3」ベースのプロセッサ「MB9AF004」(「F」の印が見える)、村田製作所の「KM5601002」などが搭載されている。
これが、α7R IIの一番の肝、CMOSイメージセンサーである。ソニーが、「フルサイズの裏面照射型CMOSセンサーとしては世界初」とするものだ(クリックで拡大) 出典:iFixit
CMOSイメージセンサーの基板(クリックで拡大) 出典:iFixit
分解過程の詳細は、iFixitのWebサイトで見ることができる。一連の部品の中で、やはりひときわ存在感を放っていたのは、Exmor Rだった。ちなみに、修理のしやすさの評価は10段階で「4」。「10」が最も修理しやすいので、どちらかと言えば、修理はしにくい部類に入るようだ。
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