東芝は、西武鉄道の新型車両40000系向けに同社の高効率モーターと4in1VVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システムが採用されたと発表した。西武鉄道の量産型車両には初めての採用という。
東芝は2015年8月24日、同社の全閉型永久磁石同期電動機(以下、全閉PMSM*)と4in1VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ装置を組み合わせた駆動システムが西武鉄道の新型車両40000系に採用されたと発表した。西武鉄道の量産型車両向けとしては初めての採用という。
2016年春より出荷が開始され、同システムが搭載された新型車両は、2017年春から運転が開始される予定である。
*)PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor
全閉PMSMは、定格効率97%を実現する高効率なモーターで、全閉構造であるため内部清掃が不要で、メンテナンス性の向上にも貢献している。
4in1VVVFインバータ装置は、1台の冷却器に対して4つのインバータ回路を配置した4in1インバータユニットを2台搭載することで小型、軽量化を実現。1台のインバータ装置で8台の全閉PMSMを駆動することにより、力行(電力の供給を受けて車両が加速する状態)の消費電力量を削減するとともに、独自の制御方法で電力回生ブレーキの負担を増やし、回生電力量を増加させて車両全体の省エネを実現している。これにより、同システムは従来システムと比較して、30〜50%の消費電力の削減が見込めるという。
東芝は、今後も省エネ効果が高く、ライフサイクルコスト低減を実現したシステムを開発し、グローバルに鉄道事業を展開していくとしている。2015年8月上旬にも、シンガポールの鉄道事業であるSMRTの車両に、東芝の高効率モーターが採用されている。*)
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