IDCの予測によると、2015年のスマートフォン世界出荷台数は14億4000万台になるという。成長率は10.4%と、2014年の27.5%に比べて大幅に低くなる見込みだ。IDCは、スマートフォン市場は明らかに鈍化しているとの見解を示している。
米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)は2015年8月25日(現地時間)、2015年におけるスマートフォンの世界出荷台数は14億4000万台になるとの予測を発表した。前年比で10.4%の成長率となり、2014年の成長率である27.5%に比べて大幅に低くなる見込みだ。IDCは前回の予測では11.3%の成長率としていたので、下方修正したことになる。IDCは、「2015年のスマートフォン市場は明らかに鈍化している」との見解を示している。
現在のスマートフォン市場の成長を支えているのは中国だ。だが、その勢いも2014年ほどではない。IDCによれば、2014年に出荷されたスマートフォンのうち32.3%は中国向けだったという。2019年には、これが23.1%に低下するとIDCは予測している。代わって伸びていくとされているのが、インドだ。IDCで携帯電話の動向を追っているプログラムディレクターのRyan Reith氏は、「中国は今でも非常に重要な市場だ。だが、中国におけるスマートフォン市場の成長率は明らかに鈍化している。現在、潜在市場として最も注目を集めているのはインドだ。地場メーカーと提携して、安価なスマートフォンを製造できるといった点でも、インドへの関心は高まっている。MicromaxやLava、Intexといったインドのスマートフォンメーカーは、国際的な競争によるプレッシャーを感じることになるだろう」と分析している。
OS別では、Androidが81.1%のシェアを占めることになりそうだ。IDCの予測によると、Androidスマートフォンの出荷台数は、2014年の10億6000万台から2019年には15億4000万台に増加するという。一方、iOS(「iPhone」)の出荷台数については、2014年の1億9270万台から2019年は2億6960万台になるとしている。IDCは、たとえAppleが比較的安価なiPhone(“C”バージョンなど)を発売したとしても、200米ドル以下の価格帯も狙っているAndroidスマートフォンには、シェアでは勝てないとみている。
5.5〜7型のディスプレイを搭載したファブレットは、新興市場でも出荷台数が伸びていくという。IDCのリサーチマネジャーであるAnthony Scarsella氏は、「Appleの『iPhone 6 Plus』によって、ファブレットの需要が伸びた。5.5〜6型ディスプレイを搭載したファブレットの出荷台数は、2015年は前年比84%増となるだろう」と予測している。
OS | 2015年の出荷台数 | 2015年のシェア | 2015年の成長率 (前年比) |
2019年の出荷台数 | 2019年のシェア | 2019年の成長率 (前年比) |
5年間の年平均成長率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Android | 11億6430万台 | 81.1% | 9.9% | 15億4190万台 | 81.1% | 5.0% | 7.8% |
iOS | 2億2370万台 | 15.6% | 16.1% | 2億6960万台 | 14.2% | 3.3% | 7.0% |
Windows Phone | 3690万台 | 2.6% | 5.8% | 6780万台 | 3.6% | 12.8% | 14.2% |
その他 | 1150万台 | 0.8% | −15.5% | 2300万台 | 1.2% | 8.6% | 11.0% |
合計 | 14億3650万台 | 100.0% | 10.4% | 19億230万台 | 100.0% | 5.1% | 7.9% |
2015年と2019年のOS別スマートフォン出荷台数とシェア。いずれも予測値 出典:IDC |
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