イマジネーション・テクノロジーズは、さまざまな顧客の要求に応えるIPソリューションを提供している。高度な技術力を持つ超大手のユーザーに対しては、革新的で用途に適したCPUコアやGPUコアなどを、引き続き単体コアとして供給していく方針を示している。一方、開発サポートを求める顧客に対しては、複数のIPコアを組み合わせたIPプラットフォームを提案していく。これらの活動を活発に行うために、顧客とのパートナーシップを一段と強めるとともに、関連する設計環境やソフトウェアベンダーなどとのエコシステムも、これまで以上に強化していく。
King-Smith氏は、「日本の顧客の中には今でも?イマジネーション・テクノロジーズはGPUコアの会社“というイメージが定着しているようだ。確かに革新的なGPUコアは現在も提供しているが、それに限定しているわけではなく、より多くのIPコア製品を提供している。サプライチェーンもさまざまな企業とより深い関係を構築しており、5年前のイマジネーション・テクノロジーズとは体制が大きく変わっている」と述べた。
もう1つKing-Smith氏が強調したのが、多機能なIoT機器において重要となるセキュリティ技術である。「OmniShield」と呼ぶこのセキュリティ技術は、単一のセキュリティ領域にも対応するが、複数の異種プロセッサを搭載するSoCシステムで特に有効な技術となる。この技術はオープンソースベースのIoT団体「prpl Foundation」が策定したオープンスタンダードを実装したものだという。
従来のバイナリモデルでは、1つの領域しかセキュリティを担保しない。これに対してOmniShieldは、最大255の領域に対してセキュリティを確保することができる技術だという。主要なMIPSコアやGPUコアで、既にOmniShield対応の製品を供給している。King-Smith氏によれば、「主要なオペレータや政府機関などでOmniShield対応のSoCが組み込まれたシステムが利用されている。1年近く利用しているユーザーからは、最もレベルの高いセキュリティ技術である、との報告を受けている」と語った。
なお、King-Smith氏は日本の顧客に対するメッセージとして、「新しい市場に対して、新しいソリューションを提供する勇気を持って欲しい。顧客が保有する革新的なIPコアと当社が提供するIPコアを組み合わせたSoCやサブシステムを、システムメーカーに提供していくための技術支援を行っていきたい。そのためには顧客とのパートナーシップが最も大事だと考えている」と語った。
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