講演者のResnick氏はさらに、ナノインプリント・リソグラフィに特有の課題「パーシャルフィールド(ここでは「部分露光領域」とも呼称する)を取り上げて詳しく説明した。
ナノインプリント・リソグラフィでは、長方形の領域に対してパターンの転写を繰り返すことで、ウエハー全体にパターンを転写していく。この長方形の領域「露光領域」の大きさは横26mm×縦33mmである。
シリコン・ウエハーは円形をしている。直径300mmの円形のウエハーを長方形の領域で区切っていくと、ウエハーの周辺部では「露光領域」がウエハーの端からはみ出てしまう。このような領域を「パーシャルフィールド(部分露光領域)」と呼ぶ。一方、ウエハーの中央部である、露光領域全体がすっぽりと収まる領域を「フルフィールド(完全露光領域)」と呼ぶ。
パーシャルフィールドの存在は無視できない。直径300mmのウエハーに対し、露光領域数の約3割がパーシャルフィールドになる。言い換えると、パーシャルフィールドを捨てることはできない。シリコンダイの収量に与える影響が大きいからだ。
フルフィールドとパーシャルフィールド。露光領域が26mm×33mm、露光領域間の境界(ストリート)の幅を0.05mmとすると、直径300mmのウエハーでは84箇所の露光領域が存在する。その中で26箇所がパーシャルフィールドになる(クリックで拡大)(次回に続く)
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