ニチコンは、トヨタの燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」を展示し、新たに対応可能となったEVパワー・ステーションと連携したV2H(Vehicle to Home)システムを「CEATEC JAPAN 2015」で提案した。
ニチコンは、「CEATEC JAPAN 2015」において、トヨタの燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」を展示し、新たに対応可能となったEVパワー・ステーションと連携したV2H(Vehicle to Home)システムを提案した。主力の電子部品事業に加えて、EV用急速充電器や家庭用蓄電システムなどを担当するNECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業への積極的な取り組みを、展示ブースで具体的に示した。
V2Hシステムは、必要に応じてEVに搭載された大容量電池から電力を取り出し、家庭に設置された分電盤を介して、家庭内に電力を供給し、活用できるようにする仕組みだ。電気代が割安となる夜間電力を活用してEVに蓄電し、蓄えた電力を昼間に利用すると節電につながる。停電など緊急時のバックアップ電源としても期待されている。
ニチコンはすでに、EVと家庭の間で、充電や給電を行うためのEVパワー・ステーションを提供している。これまで、日産の「LEAF」や、三菱自動車の「MiEVシリーズ」、「アウトランダーPHEV」などに対応してきたが、新たにMIRAIにも対応することが可能となった。
EV用急速充電器は、試作品を含む2製品を展示した。車載用充電器で培ったさまざまな技術をベースに開発された、据え置きタイプの製品である。1つは出力が10kWタイプの新製品。急速充電用として導入が進む現行の50kWタイプに比べて、形状が小型で設置スペースが少なくて済むため、複数台の設置が可能となる。取り付け工事も比較的簡便なため、スーパーマーケットやショッピングモールなどの駐車場や観光施設、宿泊施設にも設置が容易だという。
2つ目は30kW×2出力タイプで、2台のEVを同時に充電することができるデュアルタイプの製品である。参考展示された試作品は、急速充電方式として国内メーカーが手掛けるCHAdeMO 1.01規格と、欧米で推進されているCombo(Combined Charging System)規格に対応したデュアル仕様となっている。これ以外の充電規格への対応や、2出力とも同じ規格に対応することも可能だという。
この他、家庭用蓄電システムも新たに、12kWhの大容量タイプを追加した。容量が7.2kWhの従来モデルと、ほぼ同じ大きさで充放電量を約2倍とした。突然の停電でも、蓄電システムからの電力供給に自動的に切り替わる。標準的な家電製品を使用する状況であれば、最大23時間のバックアップが可能だという。
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