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磁気渦の生成や消去の制御を「応力」で可能に次世代磁気メモリ開発の新たな指針(2/2 ページ)

» 2015年10月15日 09時00分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]
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 今回の研究では、スキルミオン相を高い感度で検出するために、作製したMnSi単結晶にコイルを巻いて交流帯磁率を測定しつつ、開発した一軸応力プローブを用いて連続的に応力を変化させて実験した。低温磁場下における力学応答を詳細に確認したところ、応力を加える方向によって、スキルミオン相の生成と消滅を制御できることが分かった。

スキルミオンの力学的な生成と消去の概念図。物質に横方向(外部磁場と垂直)の力を加えることでスキルミオンを生成でき、縦方向(外部磁場と平行)の力で消去できる 出典:理化学研究所
一軸応力をスキャンしたときの交流帯磁率の変化。交流帯磁率の低い状態がスキルミオン相、高い状態がコニカル相に対応する。スキルミオンは負荷がない状態では安定しているが、応力を加えると消失する 出典:理化学研究所

ビームライン「大観」で実証

 共同研究チームは、茨城県東海村のJ-PARC物質・生命科学実験施設のビームライン「大観」を利用して、応力を変化させながら中性子小角散乱実験を実施した。この実験で現れた磁気散乱パターンの変化より、力を加えることでスキルミオン相が消失することを直接確認することができたという。

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