自動車業界にとって5Gとは何か(前編) : 採用は2020年よりも、もっと先 (3/3 ページ)
これに対し、CVTAでプレジデントを務めるMcCormick氏は、DSRCの遅延が約1ミリ秒であるのに対し、4Gは約20ミリ秒である点を指摘する。
同氏は、「両技術の遅延差を考慮すると、前後に数台の車が近接して走行するV2V(Vehicle-to-Vehicle:車車間)通信にはDRSCを採用すべきだ。DRSCは情報を、ドライバーではなく自動車に伝える。道路の凍結や路上の障害物に対して、自動車そのものの方が、人間よりもはるかに迅速に対応できるからだ」と説明している。
ただし、これは、4G(LTE)がV2X通信では出番がないということを意味しているわけではない。「もしも自動車が、(事故現場や凍結エリアなど)問題があるエリアから十分に離れている場合であれば、遅延が20ミリ秒だとしても何ら問題はないだろう」と、McCormick氏は述べている。
要するに同氏は、現時点ではDSRCとLTEを組み合わせることが妥当だとみているのだ。
出典:U.S Department of Transportation(米国運輸省)
(後編に続く )
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
>>↑↑↑特集ページはコチラから↑↑↑<<
Google、ドローンから5Gを提供?
Googleが、ドローンから5G(第5世代移動通信)を提供する計画「Project SkyBender」に取り組んでいるという。
Apple、自動車市場参入に向けアクセル全開?
Appleが、自動車市場への参入に向けて着々と準備を進めているとの根強いうわさがある。Appleは、自動車の周辺機器の開発を強化するのか、それとも自動車そのものを作ろうとしているのか。アナリストとともに検証した。
ルネサス 自動運転車の頭脳となる次世代SoC発表
ルネサス エレクトロニクスは2015年12月2日、車載情報システム向けSoC「R-Carシリーズ」の第3世代品を発表した。2018年以降に市販される自動車への搭載を見込んだ製品群。第1弾製品として同日、サンプル出荷を開始した「R-Car H3」は“自動運転時代のSoC”と位置付けたハイエンド品で、最先端となるTSMCの16nm世代FinFET+プロセスを採用し、高性能な処理能力を盛り込んだ。
Google CarにもV2V技術は不可欠だ
このほど、Google(グーグル)とDelphi Automotive(デルファイ)の自動運転車が路上で、衝突寸前のニアミスを起こしていたことが判明した。人為的ミスの存在しない自動運転車同士のニアミスの一因は、V2V(車車間)通信技術を搭載していなかった点にあるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.