IoTの普及促進を目指す団体としては、AllSeen Allianceの他、IntelとBroadcom、Samsung Electronicsが立ち上げたIoT標準化団体「Open Connectivity Foundation(OCF)*)」がある。
*)2014年6月の設立当初の名称は「Open Interconnect Consortium(OIC)」である。2016年2月に、OCFに名称を変更した。
OCFは、まず規格を作り、その後、機器に実装する。これには、本当に相互接続性を実現できるかどうかを確認するという作業が伴う。一方でAllSeenは、オープンソースのAllJoynソースコードが既にあるため、機器の開発が速い。このため、ルネサスの第二ソリューション事業本部 Synergy IoT プラットフォーム事業部でエキスパートを務める杉本大樹氏は、IoT機器の“標準”という意味では「AllJoynが最も近い位置にいるのではないか」と話す。
杉本氏は「IoT機器は、スマートフォンとクラウド間の接続といったような“縦方向”の連携は強い。だが、例えばスマートフォンに入っているアプリ同士を連携させるような“横方向”の連携は、少しずつ始まっているとはいえ、まだ弱い」と述べる。「AllJoynのようなIoTプラットフォームは、IoT機器が互いに連携して自由につながっていくというのが基本にある考え方」と杉本氏は続ける。ルネサスが示したように、AllJoynでWi-FiもBluetoothも使えるようになれば、機器の接続がより自由になり、“横方向”の連携が強化されていくと考えられる。
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