Rambusが、SemtechのシリアルインタフェースIP(Intellectual Property)事業を買収する。Semtechは、アナログ/ミックスドシグナル製品に注力するとしていて、その戦略から外れる事業は手放す方針だった。
ファブレスチップベンダーおよび技術ライセンサーである米Rambusは2016年6月6月(米国時間)、米SemtechのシリアルインタフェースIP(Intellectual Property)「Snowbush」の事業を買収することを発表した。まずは3250万米ドルを現金で支払い、この先数年間にわたり追加金を支払うという。
Rambusは、この買収によって同社の地位が強化される他、サーバ、ネットワーキング、データセンター市場における顧客ニーズに応えられるようになると述べた。今回の事業買収には、IPコアや特許などの資産も含まれるという。
一方Semtechは、シリコンで実証済みの高速シリアルインタフェースIPを、「Snowbush」というブランド名で展開してきた。SnowbushはもともとGennumが手掛けていた事業だったが、Gennumは2012年にSemtechに買収されている。
SnowbushはASSP、ASIC、SoC(System on Chip)向けのアナログおよびミックスドシグナルIPとして実績がある。こうしたIPの例として、高度なSERDES向けに開発されたプラットフォームや、コスト削減に貢献するといわれる高速IPコアなどがある。
長年、IP専業メーカーとして事業を行ってきたRambusはしばしば“パテント・トロール”とみられることもあった。だが同社は2015年8月、IPではなく、実際のICとしてサーバ用メモリインタフェースチップセットを発表している。
Rambusのプレジデント兼CEOであるRon Black氏は、報道発表資料の中で、同社の戦略の狙いは、利益の多い市場で成長できるようなロードマップを強化するチャンスを見いだすことである、と述べた。
Black氏は「当社のポートフォリオにSnowbush IPを追加することで、SERDES事業を強化し、当社の製品ポジションを加速させていく」と述べた。
取引は通常の完了条件に従って、2016年第3四半期に締結されるとみられる。買収の条件として、RambusがSemtechに3250万米ドルを支払う他、2022年までにSnowbush IPを用いて開発された新製品の売り上げに基づいて追加金を支払うことが取り決められている。Snowbush IP関連事業は、Rambusのメモリ/インタフェース部門の一部になる。
SemtechのプレジデントおよびCEOであるMohan Maheswaran氏は、別の報道発表資料の中で、「当社は中核となる長期的戦略として、優れたアナログ/ミックスドシグナル製品プラットフォームを提供することを掲げており、この戦略に沿っていないと判断した事業からは撤退する方針である。Snowbush事業の売却計画は、この方針に一致するものといえる」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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