今年の行方を占うときに重要なのは、既に実績の出ている今年の前半を、前年の同じ期間と比較することである。今年の1月から5月までの実績を、さまざまな品目で昨年の同時期と比較してみせた。品目は、「ICの出荷数量」「半導体製造装置の受注額」「半導体製造装置の出荷額」「シリコンウエハー出荷額」「リードフレームの出荷額」である。期間は1月〜5月。
これらの品目の中で、装置とウエハーは前年実績を割り込んでいる。今年の半導体製造装置市場と半導体用材料市場はあまり伸びない。
次に、同じ1月〜5月の期間で半導体製造装置の出荷額を地域別に比較してみた。欧州、日本、北米、韓国はいずれも、前年を大きく割り込んだ。一方、中国と台湾、東南アジアは大幅に増えている。特に台湾と中国は前年同期でトップだった韓国を追い抜いて2016年の1月〜5月期は地域別のトップを台湾、2位を中国が占めた。
SEMIでは、半導体製造装置の受注額について第1四半期の実績を前年と比較することで、通年の出荷額をかなりの確度で予測できるとしている。その予測によると、今年の半導体製造装置の出荷額は対前年比1.4%減となる。
(次回に続く)
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