開設に当たり、主要な装置は更新し、新たな装置の導入も行った。例えば、研究開発用に使用するプローバー(ウエハーレベルで電気的試験を行う装置)は、従来の室温環境下で試験する装置に加え、新たに低温〜高温環境下での試験が行える装置を導入。「これにより、より効率的にウエハー位置に起因するバラツキなどを特定でき、生産品質、信頼性向上に向けた対策が施しやすくなる」(山崎氏)
解析装置としては、非破壊でICのクラックなどを特定できる超音波探傷装置を新規導入した他、2016年秋〜冬をメドに集束イオンビーム加工観察装置や走査電子顕微鏡装置といった大型装置の導入を決めている。「自社工場を持つ半導体メーカーの水準と変わらない新鋭の装置がそろった。不具合解析はもちろんのこと、新製品開発における試作品評価もこれまでよりも短時間で詳細に行えるようになり、開発を後押しする施設になった」(木村氏)
恒温槽や温度サイクル炉など信頼性試験装置も増強。「これまでは外部の試験施設で行うケースが多かった(車載半導体向け信頼性規格の)AEC-Q100の評価も社内で行えるようになった」(山崎氏)とする。なお、トレックスでは、2016年度中に同社初のAEC-Q100対応製品(9品種)の量産をスタートする計画だ。
木村氏は「機能の強化に併せて、技術担当人員の増強も行った。車載用半導体市場は今後も拡大する。関西技術センターを通じ、顧客サポート力を強めるとともに、車載に特化した製品開発を加速させ、成長市場である車載市場でトレックスの存在感を高めたい」と語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.