ルネサス エレクトロニクスは2017年2月16日、産業グレードのLinuxなどの産業分野向けオープンソフトウェア基盤構築を行うLinux Foundationの協業プロジェクトに、半導体メーカーとして初めて参画したと発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2017年2月16日、社会インフラ向けに産業グレードのオープンソースソフトウェア(OSS)基盤を提供する「Civil Infrastructure Platform」(以下、CIP)プロジェクトへ参画したと発表した。ルネサスは今後、このプロジェクトの成果となる産業グレードのLinuxを産業用組み込みプラットフォームに展開していく。
産業機器分野は現在、ネットワーク機能の搭載や、動画、グラフィックス処理などのマルチメディア機能を搭載する動きが拡大し、これらの機能を実現するソフトウェアがそろうLinuxの採用が進みつつある。ルネサスも2016年10月に産業機器向け組み込みプロセッサと、動作検証済みのLinuxとミドルウェア群、開発環境を包括的に提供する「RZ/G Linuxプラットフォーム」の提供を開始している。
CIPプロジェクトは、Linux Foundationの協業プロジェクトとして2016年4月に発足。産業分野で求められる高信頼、強固なセキュリティ、長期サポートを提供できるOSS基盤、産業グレードLinuxの構築を目指し活動を実施している。ルネサスは「このプロジェクトは、進化するスマート社会を支えるソリューションを提供する上で、非常に重要なプロジェクト。半導体メーカーであるルネサスが本プロジェクトに参加することで、ユーザーは産業機器向け特有の信頼性やリアルタイム性を向上させるための追加の開発やメンテナンス作業などの負担を大幅に軽減できる」として参加を決めた。なお、CIPプロジェクトへの半導体メーカーの参画は、ルネサスが初めてという。
ルネサスは今後、CIPプロジェクトでの活動を通じ、産業用組み込み機器を支えるOSS基盤の実現を目指すとともに、プロジェクトの成果となる産業グレードのLinuxをRZ/Gシリーズをはじめとする産業用組み込みプラットフォームに展開し、信頼性の高い産業機器の早期開発を支援する方針。
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