三菱電機は、SiC(炭化ケイ素)を用いたパワー半導体の新製品「SiC-SBD」を2017年3月1日に発売した。同社はこれまでSiC-SBDやSiC-MOSFETを搭載したパワー半導体モジュールを2010年から製品化してきたが、ディスクリート品の提供は初となる。
三菱電機は、SiC(炭化ケイ素)を用いたパワー半導体の新製品「SiC-SBD(Schottky Barrier Diode)」を、2017年3月1日から順次発売すると発表した。
次世代パワー半導体として期待されるSiCを用いることで、PFC回路を内蔵した同社のパワー半導体モジュール「DIPPFC」に搭載するシリコンダイオードと比較し、電力損失を約21%低減。高速スイッチングも可能となり、リアクトルなど周辺部品の小型化に貢献するという。また、pn接合とショットキー接合を組み合わせたJBS(Junction Barrier Schottky)構造の採用により、155Aと高サージ電流耐量を実現した。
同社は、SiC-SBDやSiC-MOSFETを搭載したパワー半導体モジュールを2010年から製品化してきたが、ディスクリート品の提供は初となる。同社担当者は「SiCパワー半導体モジュールは自社、他社製品に限らず、エアコンや産業機器、インバーターシステムなどに採用されてきた。その中で、エアコンや太陽光発電などの電源システムでは、以前からディスクリート品も求められていたことが今回の発表の背景にある」と語る。
SiC-SBDとしては、2つの製品「BD20060T」「BD20060S」を発売する。両製品とも定格電流20A/定格電圧600Vで、サージ電流耐量は155Aとなる。順電圧は1.35V(25℃時)。BD20060Tのサイズは10.1×29.0×4.7mmで、TO-220パッケージを採用した。BD20060Sのサイズは15.9×41.0×5.0mmで、TO-247パッケージを採用している。
BD20060Tは既に発売を開始したが、BD20060Sは現在サンプル提供のみであり、2017年9月1日の発売を予定する。いずれも、サンプル価格は1000円(税別)だ。
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