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5GとセルラーIoTが2大テーマ、実証実験も進むMWC Americas 2017(3/3 ページ)

» 2017年09月20日 11時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]
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新たな市場を開花する可能性? モジュール式スマホ

 Lenovoのモジュール式スマートフォンは、携帯電話機の新たな市場を開花させる可能性があるという点で興味深い。同社は、小売りや医療、教育などの垂直市場を対象に、RFIDやリアルタイム位置情報サービス以上の機能を備えたモジュールコンセプトを開発している。

 同社は、製造に入る前に、米大手スーパーマーケットのWalmart(ウォルマート)など主要顧客と設計についてテストするという。Lenovoのプロジェクトディレクターを務めるJonathan Quick氏は、「モジュールの販売価格は350米ドルで、携帯電話機に装着する。現在使用されている専用システムと比べると、ごくわずかなコストで済む」と述べている。

 Lenovoのモジュールコンセプトは、携帯電話機に限定されない。積層できるカードサイズのPCモジュールや、幅広い分野に対応したモジュール式サーバの開発にも取り組んでいる。

 同社の製品の中で最も魅力的なのは、広く知られている民生向け製品だ。MWC Americasでは、50ルーメンの70型プロジェクトに映像を投影できる249米ドルのモジュールや、360度の4Kカメラをサポートする299米ドルのモジュール、10倍光学ズームを備えた79米ドルのカメラモジュールを披露した。

スマートフォン向けのさまざまなモジュールを披露したLenovo(クリックで拡大)

 世界最大のモバイル通信事業者であるChina MobileはMWC Americasで、デバイス事業で展開する製品を披露した。同社は、契約者向けに携帯電話機やスマートウォッチ、Wi-Fiルーター、Webカメラ、ドローン、液晶テレビなどさまざまな製品を販売しているが、その一部を展示した。同社の製品は全般的に、さまざまな製品分野の低価格帯をターゲットにしている。

China Mobileが展示したさまざまな製品

 China Mobile Device Companyは、2013年の設立以来、3億個のシステム(3000億元[約5兆円]相当)を販売している。欧州やアジアに約800万台のデバイスを輸出し、2016年だけで約6800万台(8350万元[約14億円]相当)を販売したという。

 同社は、国内向けデバイスには、MediaTekとSpreadtrum Communicationsのプロセッサを搭載する一方で、輸出向け製品には、主にQualcommの旧型のチップを搭載しているという。

 同社の製品の多くは、50米ドル以下のスマートフォンやフィーチャーフォンといったローエンド製品だが、それだけではない。MediaTekのスマートフォン向けオクタコアSoC(System on Chip)「Helio X10」と5.2型ディスプレイ、32Gバイトのフラッシュメモリを搭載する170米ドルのハイエンドスマートフォンも提供している。

 China Mobileグループは2017末に、LTEネットワーク上で動作する70米ドルの子ども向けスマートウォッチを販売する計画だ。さらに、2×2のMIMO(Multi-Input Multi-Output) Wi-Fiを内蔵する50型の4Kテレビを開発中だという。

 MWC Americasでは、人目を引くスマートフォンケースや、スマートフォン用部品などを提供する中国のさまざまな中小企業も参加していた。

MWC Americasに出展した企業は、スマートフォンケースなどを展示していた
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