車載半導体事業では新たな動きもある。トヨタ自動車とデンソーが2020年に実用化を目指して開発している自動運転車「Highway Teammate」に、R-CarとRH850を含む自動運転車向けソリューションが採用されたと発表した。Highway Teammateは、自動車専用道路上で分岐合流や追い越し、レーンチェンジなどを、運転者の監視下において自動で行うことができるクルマで、デンソーが開発する自動運転用ECU(電子制御ユニット)などに、ルネサス製品が搭載される予定だ。
もう1つは中国への新拠点設置である。中国政府は国家戦略産業として、2020年までにEVやPHV、燃料電池車(FCEV)といった新エネルギー車の生産販売台数を200万台に拡大することなどを発表している。
こうした動きに対応しルネサスは、2017年11月1日付けで北京の中国事業統括本部直下に、新エネルギー自動車ソリューションセンターを新設した。中国は新エネルギー車の最大市場で、新たなトレンドセンターになる可能性が高いとして、中国向け半導体ソリューションの開発を加速する狙いがある。
ルネサスはこれまで、中国政府系企業が出資するスウェーデンのEV専業企業であるNEVSやSUVやピックアップトラック分野で長城汽車(グレートウォール)と、それぞれ戦略的協業を結んできた。これらの協業も新組織が主体となって開発を推進していく予定である。
なお、R-Carコンソーシアムフォーラムでは、「HADソリューションキットを用いたセンサーフュージョン」をはじめ、「Viewアプリケーションデモカー」「R-Car D3 Clusterソリューション」「つながるクルマ」などについて、デモ展示を行った。
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