ルネサス エレクトロニクスは2017年11月2日、2017年12月期第3四半期(7〜9月期)業績を発表した。
ルネサス エレクトロニクスは2017年11月2日、2017年12月期第3四半期(7〜9月期)業績(非GAAPベース)を発表した。2017年7〜9月の3カ月間の売上高は1955億円(前年同一期間比28.1%増)、営業利益は359億円(同23.8%増)と大幅な増収増益となった。
増収増益となった背景には、2017年2月に完了したインターシル買収に伴う効果や、前年同時期に発生した熊本地震の影響が解消されたことの他、主力の自動車および、産業機器、白物家電向け半導体売上高が伸びたことがある。前年同時期業績にインターシルの売上高を加算した試算ベース(プロフォーマベース)の半導体売上高をみても、前年同時期の1625億円から今期は1923億円と18.3%増の増収を達成している。
プロフォーマベースの用途別売上高は、自動車分野向けが1006億円で前年同時期比16.9%増、前四半期比2.2%減。白物家電などを含む産業分野向けが535億円で前年同時期比18.5%増、前四半期比1.0%減。主に汎用マイコンや汎用アナログ半導体で構成するブロードベースドは374億円で前年同時期比21.1%増、前四半期比3.0%増となった。
ルネサス執行役員常務兼CFO(最高財務責任者)の柴田英利氏は、「自動車向けは、(市況が)悪いわけではないが、以前に比べるとスローダウンしている。産業向けは一部顧客でのスローダウンがあるものの全般的には好調だった。(2016年の)震災以降、受給はタイトな状態が続き、2017年前半には過剰発注が見られた。ただ、こうした過剰発注が正常化してきたため、結果的に需要が落ちてきているように見えているのが現状。工場稼働率が高いために、需要の変化への追従が遅れ、これまでの生産品目構成と(現状、需要のある品目との)ミスマッチが生じているのも事実。生産品目構成を(需要に応じた形に)変えているが、その成果が現れるのは11月後半から」と語った。
同日発表した2017年第4四半期(10〜12月期)の業績予想(非GAAPベース)は、売上高2009億円(前年同時期比20.7%増)、営業利益259億円(同13.6%増)を見込む。第4四半期の分野別市況見通しについて柴田氏は「自動車は、第3四半期同様、これまでと比べるとスローダウン気味に推移するだろう。白物家電やFA機器に関しては強く見えている。(旧インターシル製品を展開する)モバイルコンシューマ向けは第3四半期は好調だったが、季節要因で第4四半期は大きく落ちる」とした。
なお、2017年12月期通期業績(非GAAPベース)は、売上高7722億円(前年同時期比20.9%増)、営業利益1200億円(同53.8%増)を予想している。
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