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» 2018年05月01日 09時30分 公開

わずか2分子の厚み、超極薄有機半導体の開発に成功分子長さのばらつきを利用し製膜(2/2 ページ)

[馬本隆綱,EE Times Japan]
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超極薄TFTを開発し、特性を評価

 さらに研究グループは、アルキル鎖の長い分子と短い分子の混合比を変えて製膜をし、その効果を検証した。これによると、長い分子をわずかに混合すると、2分子膜同士の積層を抑えることができ、超極薄半導体が効率よく得られることが分かった。

超極薄半導体の形成メカニズム。上は長鎖分子と短鎖分子の混合比を変えた薄膜の顕微鏡像、下はフラストレーションの効果の概念図 出典:東京大学

 これらの研究成果を基にTFTを作製し、その特性を評価した。ゲート電圧を印加してドレイン電流の変化を測定したら、伝達特性は負のゲート電圧を印加するとドレイン電流が増加するp型特性を示した。電流−電圧特性は、一定以上のドレイン電流を印加するとドレイン電流が一定となるTFTの挙動が現れた。

超極薄TFTの特性。左は飽和領域の伝達特性、右は出力特性 出典:東京大学

 伝達特性のデータを解析したら、飽和領域の移動度は6.0cm2V-1s-1となった。しかも、極めて薄いTFTは外部からの刺激に対して、電流値が敏感に応答することを確認した。

 研究グループでは今後、極めて薄い半導体の形成に向けて、分子材料の設計と製膜法のさらなる最適化を進め、高感度分子センサーの実用化に向けた薄膜TFTの開発を行う。さらに、生体細胞膜に似た単層2分子膜の特長を生かし、機能性人工超薄膜への応用に取り組む方針だ。

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