JOLEDが石川に印刷有機EL量産工場、2020年稼働へ:旧JDI能美工場を活用
JOLEDは2018年6月26日、印刷方式の有機ELディスプレイパネルの量産拠点として2018年7月1日付で「JOLED能美事業所」(石川県能美市)を開設し、2020年から稼働させる予定だと発表した。
JOLEDは2018年6月26日、印刷方式の有機ELディスプレイパネルの量産拠点として2018年7月1日付で「JOLED能美事業所」(石川県能美市)を開設し、2020年から稼働させる予定だと発表した。
JOLED能美事業所の完成予想図 (クリックで拡大) 出典:JOLED
JOLED能美事業所は、2017年末に生産を停止した旧ジャパンディスプレイ(JDI)能美工場を産業革新機構から取得し、開設するもの。既存の工場設備を活用しつつも、新たな製造棟、設備を導入して、印刷方式による有機ELディスプレイパネル製造ラインを構築する。構築する製造ラインは、基板サイズ1300×1500mmの第5.5世代製造ライン(G5.5)で、生産能力はガラス基板ベースで月産約2万枚を予定。「車載向けやハイエンドモニター向けなどを想定した、中型サイズ(10〜32型)の印刷方式有機ELディスプレイを生産していく」(JOLED)とする。
JOLED能美事業所の敷地面積は約10万m2で、延床面積は新製造棟完成後10万4000m2になる。
JOLED能美事業所の完成予想イメージ (クリックで拡大) 出典:JOLED
既に出荷を開始している21.6型の4K有機ELディスプレイ
JOLEDは、RGB印刷方式の有機ELディスプレイパネルの開発を手掛け、2016年には石川技術開発センターに開発試作ライン(基板サイズ730×920mm/G4.5)を設置。
2017年12月からは、開発試作ラインを用いて製造する21.6型の4K有機ELディスプレイの出荷を開始している(関連記事:JOLED、印刷方式の有機ELパネルを出荷開始)。
- JOLED、印刷方式の有機ELパネルを出荷開始
JOLEDが、RGB印刷方式で製造した21.6型4K有機ELパネルを製品化し、出荷を開始した。最初の製品はソニーの医療関連事業に納品されたという。JOLEDは、韓国勢が採用する蒸着方式では製造が難しい、中型パネル領域を狙う。
- JDIが構造改革策発表、約3700人を削減へ
ジャパンディスプレイ(JDI)は2017年8月9日、能美工場第5.5世代ライン(石川県能美市)の生産停止や約3700人の人員削減策を含む構造改革策を発表した。
- JDI、LTPSなどで攻勢かけ車載売上高3年で1.6倍へ
ジャパンディスプレイは、成長事業として位置付ける車載向けディスプレイ事業を継続的に強化し、2019年度に車載ディスプレイ事業として2016年度比1.6倍に相当する約1500億円規模の売上高を目指す。2017年10月25日に開催したメディア向け事業説明会で明らかにした。
- JDI、車載用LTPS液晶ディスプレイの量産開始
ジャパンディスプレイ(JDI)は、石川工場(石川県川北町)で車載用低温ポリシリコン(LTPS)液晶ディスプレイの量産出荷を始めた。
- 立体感ある3D映像を表示、複数人が裸眼で視聴
NHKメディアテクノロジーとジャパンディスプレイは、共同開発した「17型ライトフィールドディスプレイ」装置を国内で初めて公開展示した。
- JOLED、印刷法で21.6型有機ELを製品化、次は大型へ
JOLEDは2017年5月17日、RGB印刷方式で2017年6月から量産を行う予定の21.6型有機ELパネルを公開。同社社長で2017年6月にジャパンディスプレイ(JDI)の社長兼CEOに就任予定の東入來信博氏が会見に応じ、今後の有機ELパネルの開発方針などを明らかにした。
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