LEDへ地道に取り組むオスラム、次世代の光技術を聞く:植物工場にビジネスチャンスを見る(3/3 ページ)
EETJ 次世代のオプトエレクトロニクスをけん引するイノベーションを教えてください。
Dieppedalle氏 次世代のオプトエレクトロニクスに求められるものは、色の質を向上させることだ。これを実現するキーテクノロジーは先ほども紹介したQDだ。演色性を向上させつつも、変換効率を維持できるQDは光源にとって大きな革新となる。
ヒューマンセントリックライティングのイメージ 出典:OSRAM Opto Semiconductors
また、昨今において注目を集める「ヒューマンセントリックライティング」は、人が心地よく感じる光をどのように創造するかという概念だ。ブルーライトは人に対して好ましくないといわれているが、LEDは青色がベースで作られている製品だ。ブルーライトを抑制しつつ、どのようにして心地よい光を提供できるか。この点でも研究を進めていく。
また、もう1つのイノベーションはマイクロピクセレーテッドLEDだ。この技術は、1つのLEDダイを微細な1024個のセルに分割してピクセルと定義し、ピクセルごとに制御可能なLEDだ。ピクセルサイズは115μmでそれぞれが3ルーメン発光し、チップ合計で3000ルーメン程度の光を発する。
このマイクロピクセレーテッドLEDをダウンライトに組み込むと、モーターなど機械的な制御を必要とせず、光源だけで光を移動させることが可能となる。この技術は駐車場での案内表示や一般店での広告表示など、さまざまな応用が考えられる。普段は照明でありながら、必要な場合に情報を投影できるデバイスもこの技術で開発できるため、顧客が開発する照明機器の付加価値創出と差別化に貢献できる。
直近で登場する製品ではなく、現在プロトタイプを開発し、量産は数年後を予定している。顧客へ紹介できる準備を進めているところだ。
- オスラム、一般照明向けLED事業を強化
オスラム オプトセミコンダクターズは、LEDや半導体レーザーなどを中心とした事業戦略について記者説明会を開催した。一般照明市場への本格進出に向けて、マレーシア・クリムにLEDチップの新工場(前工程)を建設中で、2017年にはウエハー投入を予定している。
- オスラム、白色LEDで“10度ビニング”を推進へ
オスラム オプトセミコンダクターズは2016年8月3日、白色LEDで新たに提唱する「10度ビニングコンセプト」に関するセミナーを開催した。同社は、「10度ビニングを採用することで、色のばらつきを抑え、人間の感覚により近い表色系を実現できる」と語る。
- 幅広い製品群と新工場建設で、LED事業を拡大
オスラム オプトセミコンダクターズは照明用LED事業を一段と強化していく。LEDチップの新工場をマレーシアに建設するなど、製造能力の強化にも乗り出す。
- スマートライティングに期待、LED照明向け半導体で年間70%成長見込む
オン・セミコンダクターは、LED照明向け半導体事業で年平均成長率(CAGR)70%の伸びを予測している。車載向けや一般照明向けにLEDドライバIC、無線通信用IC、マイクロコントローラなどの半導体デバイスを供給している。今後はLED照明機器がネットワークに接続され、遠隔制御が可能なスマート化が進み、関連するICの大幅な需要拡大が見込めるからだ。
- LEDの強みとこだわり――ロームが目指すLED照明事業
電力不足や高まる環境意識を背景にマーケットを拡大するLED照明。ロームは、長年培ってきたLEDランプ・モジュールの技術力を武器に、この成長市場へ攻勢をかける。同社モジュール・ライティング生産本部の四方秀明統括部長に、“ロームLED”の強みとこだわりを聞いた。
- 京セラ、サンゴがよく育つLEDを開発――太陽光を再現
京セラは2018年7月26日、太陽光スペクトルに近い高演色LEDを活用した「アクアリウムLED照明」を同年8月中旬より発売すると発表した。同製品は「サンゴもハタゴもよろこぶ優しい光」をうたい、海中4カ所の深度における太陽光スペクトルを再現した製品ラインアップをそろえた。
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