今回から、実装設備のユーザー(セットメーカーやモジュールメーカー、アセンブリ受託企業など)が実装設備に要求する項目と重要度を、JEITAがアンケート調査した結果を報告していく。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第75回である。
本シリーズの第3回から第22回までは第2章「注目される市場と電子機器群」の概要、第23回から第30回までは第3章「電子デバイスパッケージ」の概要、第31回から第63回までは第4章「電子部品」の概要、第64回から第72回までは第5章「プリント配線板」の概要を説明してきた。
前々回(第73回)からは、第6章「実装設備」の内容を報告している。前回は、実装工程の生産性を大きく左右する、マウンタの技術ロードマップと関連動向をご説明した。今回からは、実装設備のユーザー(セットメーカーやモジュールメーカー、アセンブリ受託企業など)が実装設備に要求する項目と重要度を、JEITAがアンケート調査した結果を順次、ご報告していく。
始めはアンケート調査の概要を説明しよう。アンケートは2018年の5月〜7月に実施した。対象とする実装設備は「印刷機」「マウンタ」「リフロー」「検査機」「ベアチップ/フリップチップボンダ」である。
これらの設備について、要求項目ごとに重要度を6段階評価で回答してもらった。最高点は5点、最低点は0点である。すなわち「最重要」が5点、「重要」が4点、「中程度」が3点、「やや重要度低い」が2点、「重要度低い」が1点、「分からない、使用してない」が0点あるいは空欄(回答なし)となっている。
アンケートの調査票は、和文、英文、中文(簡体)の3つの言語で作成した。調査票の送受信は電子メールを基本とした。
アンケート調査の回答数(回答者総数)は409件と過去最多である。ちなみに前回(2017年度版実装技術ロードマップ)の回答数は366件、前々回(2015年度版実装技術ロードマップ)の回答数は238件だった。なお回答数は総数であり、実装設備ごとの回答数は409件よりも少ないことに留意されたい。回答数が最も多かった実装設備は「マウンタ」で回答数は377件、最も少なかった実装設備は「ベアチップ/フリップチップボンダ」で153件である。
国・地域別の回答数は当然ながら日本が最も多く、154件で38%を占める。次いで中国が151件と多い。それから東南アジアが44件、北米が21件、台湾が15件、欧州・ロシアが9件、南アジアが5件、韓国が5件、中東・アフリカ・大洋州が1件となっている。前回との比較では中国が1.47倍、東南アジアが1.38倍と大きく増加した。
業種別の回答数は「EMS(Electronics Manufacturing Service:電子機器受託製造サービス)」が最も多く、115件を数える。次いで「車載」が81件と多い。この2業種で全体の半分近くを占める。「センサ・電子部品・基板・モジュール」が49件でこれらの2業種に続く。その他は「実装設備・実装情報」が31件、「産機・モーター」が27件、「HA・家電」が24件、「携帯・通信」が22件、などである。
(次回に続く)
⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.