東芝デバイス&ストレージは、IoT機器を簡単に試作できる開発プラットフォーム「トリリオンノード・エンジン」向けのコネクター技術を評価した。この技術を用いると、はんだ付けなどの作業をしなくても、容易に接続部の実装が可能となる。
東芝デバイス&ストレージは2021年6月、IoT機器を簡単に試作できる開発プラットフォーム「トリリオンノード・エンジン」向けのコネクター技術を評価したと発表した。同社の「ワイヤー接続技術」と「ゴムコネクター技術」を用いることで、はんだ付けなどの作業をしなくても、容易に接続部の実装が可能となる。
今回評価したコネクター技術は、BWCM(Bare Wire Connection Mechanism)と呼ぶ構造を採用している。ワイヤーハーネスを保持してパッドに整列させるホルダーには、U字状の独自機構を採用した。ホルダーを押さえるカバーは、高強度の樹脂とゴム製のクッションを組み合わせた構造となっている。
こうした構造にしたことで、はんだ付け作業を行わずに小型で着脱が容易なワイヤー接続部を実現できるという。電子回路基板面上の高さは約2mmと低背である。引っ張り強度にも優れ、ワイヤーハーネスを3N以上の力で引っ張っても外れることはない。
トリリオンノード・エンジン向けのリーフ基板同士を接続するゴムコネクターも評価した。高温高湿試験などさまざまな環境で試験を行い、接続時における抵抗の安定性と信頼性を検証した。この結果、実用に耐えうる性能であることを確認した。
東芝デバイス&ストレージは東京大学と協力し、トリリオンノード・エンジンの有効性などについて、評価中である。開発したコネクター技術についても、デモ用のモーターユニットなどに活用していく予定である。
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