魁半導体は、撥水性と親水性を示す薄膜をドライプロセス(乾式)で生成することができる、真空プラズマ装置「フリップフロップコーターFFC-400M」を開発した。2023年に竣工予定の新工場で、同成膜の受託事業を始める予定。
魁半導体は2022年3月、撥水性と親水性を示す薄膜をドライプロセス(乾式)で生成することができる、真空プラズマ装置「フリップフロップコーターFFC-400M」を開発した。2023年に完成予定の新工場で、同成膜の受託事業を始める予定。
空気中で撥水性を示し、水中では親水性に転じる現象は「フリップーフロップ現象」と呼ばれている。液層で成膜をするウェットプロセス(湿式)では、この現象を示す成膜技術はあるが、プラズマ処理で成膜を行うドライプロセスにおいて成功したのは同社が初めてという。
開発した装置を用いて作製した膜は、高い防汚や防水、防油の効果があり、乾燥付着した汚れも水で洗い落とすことができる。タッチパネルやレンズ、屋外使用の部材、繊維などの用途に向ける。成膜の対象物は最大A5サイズを想定。受託処理するターゲット材は同装置専用のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)となる。
魁半導体は、開発したFFC-400M本体を外販する予定はないという。京都市内に建設する新工場に、FFC-400Mやモニタリングセンサー、計測装置などを設置し、成膜の受託処理事業を行う計画である。
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