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定年を自覚したエンジニアがひねり出した“投資のHello Worldアプローチ”「お金に愛されないエンジニア」のための新行動論(2)(1/11 ページ)

定年がうっすら見えてきたエンジニアが、なりふり構わず「お金/投資」について勉強するシリーズ。今回から、「何でもいいから、1万円で金融商品を一つ買ってみよう」という戦略、名付けて“Hello Worldアプローチ”を実践していきます。

» 2022年04月28日 12時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

今回のテーマは、すばり「お金」です。定年が射程に入ってきた私が、あらためて気づいたのは、「お金がない」という現実でした。2019年には「老後2000万円問題」が物議をかもし、基礎年金問題への根本的な解決も見いだせない中、もはや最後に頼れるのは「自分」しかいません。正直、“英語に愛され”なくても生きていくことはできますが、“お金に愛されない”ことは命に関わります。本シリーズでは、“英語に愛されないエンジニア”が、本気でお金と向き合い、“お金に愛されるエンジニア”を目指します。⇒連載バックナンバー


「真実は一つ!金(かね)だ!」

 前回の最後のシメとして、

 まとめます。新連載のコンセプトは、この一言です。

 「真実は一つ!金(かね)だ!」(by ジェイムズ君(エロイカより愛を込めて))


と述べましたが ―― これギャグではなく、結構、マジな話なのです ―― 私の中では。

 先日、資料を探しに、巨大書店(コーチャンフォー)に行ってきて、その書架を眺めていて思ったことは、「つまるところ、『お金』だよなぁ」と実感したことです。

 もちろん、そのアプローチに意義があったり、楽しかったり、学ぶこと自身が目的であったりすることもあると思いますので、『全てがお金のため』と考えるのは乱暴であることは理解しています。

 しかし、「マーケティング」「IT」「英語」「自己啓発」が何のために必要になるか、と言えば、それは、「お金を獲得する手段」であることも確かです(ただ、「ダイエット」や「婚活」については、お金に直結しているかというと、ちょっと「?」という気もしますが)

 物事の価値を計るものさしとして、「お金」は便利な道具概念ですし、そもそも、お金はライフラインです。そして、私は、定年後、労働力として価値が下がる(無くなる、とまでは言いたくない)ことが確定しています。

 お金を得ることそのものを、直接の手段にしなればならない ―― 追い詰められたシニアは、今さら「マーケティング」「IT」「英語」「自己啓発」などの『間接手段』に費やしている時間はないのです。

 と言い切ってみたものの、どうもそれも釈然としません。私は、英語やプログラミングを、お金を得ることだけを目的としてがんばってきたのか、と自問すると、それはそれで納得できないのです。

 これは、与えられた機会の問題かな、という気がします。海外に送り出される機会があれば、英語は必須の道具ですし、仮説を数量で検証する時に、プログラミングは、最速の検証手段です。

 もし私が定年(あるいは健康や体力の問題)を理由に、「機会を奪われない」のであれば、「マーケティング」「IT」「英語」「自己啓発」は、相変わらず有効な技であり続けるはずです。

 定年とは、「機会を失う」ということに、他ならないのです――が、本当に定年によって、私たちは「全ての機会を失う」ことになるのでしょうか?

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