ロームは、車載用カメラモジュールに向けたパワーマネジメントIC(PMIC)「BD868C0MUF-C/BD868D0MUF-C」を開発し、サンプル品の出荷を始めた。パッケージの外形寸法は3.5×3.5mmと小さく、機能安全規格「ISO 26262」で定義されたリスクレベル「ASIL-B」に準拠している。
ロームは2022年5月、車載用カメラモジュールに向けたパワーマネジメントIC(PMIC)「BD868C0MUF-C/BD868D0MUF-C」を開発し、サンプル品の出荷を始めた。パッケージの外形寸法は3.5×3.5mmと小さく、機能安全規格「ISO 26262」で定義されたリスクレベル「ASIL-B」に準拠している。
新製品は、電源4系統の出力を内蔵している。DC-DCコンバーターが3系統とLDOが1系統である。これにより、各社によって異なるイメージセンサーの電源要求にも柔軟に対応することが可能となった。また、電源の異常を検知し、その状態をフィードバックするための「異常状態通知機構」も搭載した。
新製品は小型パッケージの採用や、周辺部品の点数削減などにより、車載カメラの小型化が可能である。従来部品を用いた場合の実装面積は153mm2だが、新製品を採用することで114mm2となり、約25%も削減することができるという。
新製品の電源電圧は4〜18Vで、動作温度範囲は−40〜125℃である。内蔵したDC-DCコンバーターの出力電圧(代表値)と出力電流(最大値)は「3.3V/2.0A」「1.2V/1.2A」「1.8V/1.0V」の3系統、LDOのそれは「2.8V/0.3A」となっている。新製品のサンプル価格(税別)は700円。車載用のリアビューカメラや周囲監視用カメラ、ドライブレコーダー、ドライバーモニタリングシステムなどの用途に向ける。
ロームは今後、「BD868xxMUF-C」ファミリーとして、「BD868A0MUF-C」や「BD868B0MUF-C」を追加していく。また、ASIL対応が不要なユーザー向けてはISO 26262非準拠の「BD868C1MUF-C」も用意する計画。
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