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» 2022年10月12日 09時30分 公開

米国、中国への先端半導体技術の輸出規制を強化YMTCなどを「未検証リスト」に追加

米商務省(DoC)は、国家安全保障上の懸念を理由に、中国に対する半導体および関連製造装置の輸出制限を強化した。この発表を受けて、米上院の多数党院内総務を務めるChuck Schumer氏は、「さらなる制限を求めていく」と述べている。

[Alan PattersonEE Times]

 米商務省(DoC)は、国家安全保障上の懸念を理由に、中国に対する半導体および関連製造装置の輸出制限を強化した。この発表を受けて、米上院の多数党院内総務を務めるChuck Schumer氏は、「さらなる制限を求めていく」と述べている。

米上院の多数党院内総務を務めるChuck Schumer氏 出所:Shutterstock

 DoCの産業安全保障局(BIS)は2022年10月7日(米国時間)、中国による高度な半導体の購入や製造、スーパーコンピュータの開発を規制する措置を発表した。

 BISの発表によると、中国は同技術を使用して、大量破壊兵器を含む軍事システムを製造し、軍の効力を向上させ、人権侵害を犯しているという。

 産業安全保障担当商務次官を務めるAlan Estevez氏はBISの声明で、「国家安全保障を守り、軍事用途の機密技術が中国の軍や諜報機関、セキュリティサービスに不正に入手されるのを防ぐために、あらゆる手段を適切に講じている。脅威の環境は絶えず変化している。本日政策を更新したのは、同盟国やパートナーとの支援活動や調整を継続する中で、中国がもたらす課題に確実に対処するためだ」と述べている。

加速する対中規制の強化

 DoCはここ数カ月、NVIDIAとAMDのGPU販売制限など、中国への半導体技術の輸出に関する一連の制限を発表している。今回の発表は、ドナルド・トランプ前大統領政権下で始まり、ジョー・バイデン現大統領の下で激化した技術戦争の最新の一手である。

 BISは、中国企業をいわゆるエンティティリスト(Entity List)に追加して、半導体や生産技術の購入を事実上阻止することで、制限をさらに強化することも可能だと警告している。

 BISの発表によると、「BISが最終用途の確認を適時実施することをホスト国政府が阻止する場合、当事者を未検証エンドユーザーリスト(Unverified List)に追加し、確認の遅延が極端な場合はエンティティリストに追加して、国家安全保障上の利益を損なう可能性のある、米国技術の流用リスクを防ぐ」という。

 バイデン政権は2022年10月7日、メモリチップメーカーのYMTCを含む31の中国企業および機関を未検証エンドユーザーリストに追加した。

 Schumer氏は米国EE Timesに対し、「バイデン政権に対し、他の輸出規制措置に迅速に対応し、米国の技術サプライチェーンと米国の消費者を保護するためにYMTCをエンティティリストに追加するよう引き続き要請する。米国の高度な製造技術の移転に対するこれらの制限は絶対に必要だ。中国共産党が技術的優位への手段を不正に盗むのを阻止するために、米国が行うべきことは数多く残っている」と事前準備した回答を提示した。

 Schumer氏はさらに、「次期国防権限法(NDAA)において、米国上院は、米国の半導体製造を弱体化させることを目的とした中国の経済/産業政策に対する立場をさらに強化するため、複数の手段を講じる予定だ」と述べている。

 米国政府は2年以上前から、かつて世界最大のスマートフォンメーカーだったHuaweiをはじめ、30社近くの中国のハイテク企業をエンティティリストに掲載し、半導体および製造装置の調達を阻止している。

新たなライセンス要件

 BISは、中国国内の半導体工場への輸出について、新たなライセンス要件を追加すると発表した。中国企業が所有する工場は「原則不許可(presumption of denial)」となり、多国籍企業が所有する工場については、ケースバイケースで決定される予定だ。主な対象は、16nmまたは14nm以下のFinFETおよびGAA(Gate-All-Around)アーキテクチャによる3Dチップ、配線ハーフピッチが18nm以下のDRAM、128層以上のNANDフラッシュメモリチップだ。

 なお、ロイター通信は匿名の情報源を引用し、「バイデン政権は、韓国のSK hynixとSamsung Electronicsを、中国における既存の生産施設に対する新しい規制の一部から免除する」と報じている。

 BISによると、BISのコンプライアンス判断を妨げる外国政府の行動は、エンティティリストへの追加を通じて、企業の米国技術へのアクセスに影響を及ぼすという。

 DoCは、この新規制について国際的なパートナーと協議を行ったという。

 また、同規制は、米国市民がライセンスなしに中国の工場で半導体の開発/製造の支援をすることも制限している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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