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» 2023年07月28日 17時15分 公開

Cerebrasが1億ドルのAIスパコンを販売「NVIDIAへの挑戦」(2/2 ページ)

[Sally Ward-FoxtonEE Times]
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スパコンで「GPU以外の選択肢」を示す

 Condor Galaxy 1では、スタートアップのAIアクセラレーターハードウェアをスパコン規模で導入することになる。これにより、過去5年間にわたって数十億米ドル規模のベンチャーキャピタルを引き付けてきたGPU分野でなくても、AI専用のハードウェア市場を確立できることが実証されたといえる。

 Feldman氏は、「今回の契約は、多面的な挑戦だ。NVIDIAに対する挑戦であり、ハイパースケーラーに対する挑戦である。つまり、並外れた計算能力を実現するのは、必ずしもこのような大手メーカーである必要はないということだ」と述べる。

 ハイパースケーラーは、明らかに大規模なAIコンピュータ向けの潜在顧客であるが、今までのところNVIDIAのGPUチップを選択したり、自社でアクセラレーターを開発したりしている。今回の契約は、GoogleやAWS、Meta、Microsoftのようなハイパースケーラー以外の市場潜在力を示すことになる。

 Feldman氏は、「AIは、世界中に普及している。これにより、今までは見えなかった需要が創出されている」と続けた。

2024年末までに、さらに6台のCondor Galaxyが米国外で稼働へ

 G42は、アラブ首長国連邦に拠点を置くコングロマリットである。9社の企業で構成され、2万2000人の従業員を抱える。既に、中東最大の地域クラウドを確立している。

 Condor Galaxy 1の使用を予定しているG42の企業としては、Inception Institute of Artificial Intelligence(IIAI)とM42がある。IIAIは、モデルを作成し、中東全域でエンタープライズの展開をサポートする企業だ。M42は、アブダビの政府系ファンドMubadala Investment(ムバダラ・インベストメント)とG42とのジョイントベンチャーで、ゲノム配列決定などをはじめ、ヘルスケアデータについての新たな洞察を得るための取り組みに注力している。

 Condor Galaxy 1の第1段階として導入された32台のCS-2は、既にG42のワークロードを処理しており、余剰性能についてはCerebrasのクラウド経由で販売されるという。

 Feldman氏によると、米国内のコロケーション施設にCondor Galaxy 1を設置した理由の一つは、スピードだという。

 「われわれは、とにかく迅速に立ち上げたいと考えていた。米国内では素早く動くことができる。当社は水冷式システムを採用しているので、十分な電力と水を得られるコロケーションであることも決め手だった」(同氏)

サンタクララにある高性能コロケーション施設、Colovoreに設置されたCondor Galaxy 1の一部。なお、Colovoreには、16台のCS-2で構成されたAIスパコン「Andromeda」も構築されている[クリックで拡大] 出所:Rebecca Lewington/Cerebras Systems

 CerebrasとG42は2024年半ばまでに、Condor Galaxyの2号機と3号機を米国テキサス州オースティンとノースカロライナ州アシュビルに、それぞれ構築する予定だ。これら3台のCondor Galaxyは相互に接続されて、12EFLOPS(FP16)の演算性能を実現する。

 2024年末までには、さらに6台のCondor Galaxyが米国外で稼働し、オンラインで相互に接続され、合計36EFLOPSの演算性能を実現する計画だという。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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