欧州に進出するTSMCの狙いと、半導体産業への影響:欧州の”半導体ルネサンス”を主導(4/4 ページ)
ESMCの設立は、世界的な半導体サプライチェーンに大きく貢献し、また、TSMCの世界的な事業展開のバランスを取るのにも大きな助けとなる。世界的な半導体不足に対処し、さまざまな業界で高まる半導体需要に応えるためにも、重要な役割を果たすだろう。
2020年、EUの半導体市場規模は世界の10%程度(460億米ドル、世界全体では4670億米ドル)だった。自動車分野(100億米ドル)と産業(140億米ドル)はEUの半導体市場にとって重要な分野だ。市場調査会社Omdiaの2021年のデータによると、欧州で生産されるチップは180nm〜40mnノードのものが最大のシェアを占めているが、28nm〜12nmの需要は既に欧州の半導体市場全体の40%を占めているという。
TSMCは今後10年の欧州半導体産業にとって重要な長期的ビジョンを持っている。先進的なCMOS技術に特化した最先端のFinFET対応工場が欧州に設立されることで、欧州のサプライチェーンは大幅に強化されるだろう。これにより欧州では、半導体エコシステムの強化とイノベーションの促進が実現し、最先端技術とソリューションの開発が可能になるはずだ。
【翻訳:滝本麻貴、青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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