Intelは2024年6月、アイルランドの新工場「Fab 34」関連の合弁事業体の持ち分49%を、投資会社Apollo Global Managementに110億米ドルで売却する。
Intelは2024年6月4日(米国時間)、同社のアイルランド新工場「Fab 34」に関連する合弁事業体の持ち分を投資会社Apollo Global Management(以下、Apollo)に110億米ドルで売却することで合意したと発表した。これにより、Apolloは合弁事業の持ち分49%を保有することになる。残りの51%はIntelが継続して保有する。取引は2024年第2四半期に完了する予定だ。
Intelが184億米ドルを投じて建設したFab 34は、Intelのアイルランド・リークスリップ拠点の新工場で、「Intel 4」「Intel 3」の先端プロセスを適用する。2023年9月にはIntel 4を適用したプロセッサ「Core Ultra」(開発コード名:Meteor Lake)の量産を開始した。Intelによれば、Intel 3を適用する次世代データセンター向け「Xeon」(Granite Rapids)の立ち上げも順調に進んでいるという。
今回の合意に基づき、合弁会社はFab 34でウエハーを製造する権利を所有するが、IntelはFab 34およびその資産の完全な所有権と運営管理を保持する。
Intel CFO(最高財務責任者)であるDavid Zinsner氏はリリースで「今回の合意により、強靭かつ持続可能な半導体サプライチェーン構築に向けた投資を実施し、事業戦略を実行するための柔軟性をさらに高めることができる。半導体世界市場は今後5年間で倍増する見通しであり、欧米における最先端の生産能力への投資は不可欠だ」とコメントした。
Intelは2022年、製造事業への投資戦略を加速すべく、資金調達手法として「半導体共同投資プログラム(SCIP:Semiconductor Co-Investment Program)」を発表した。強固なバランスシートを維持しつつ、工場建設など膨大な資金を必要とする生産能力の拡大を進めることが目的だ。最初のSCIPとして、カナダの投資会社Brookfield Asset Managementと提携し、米アリゾナ州チャンドラーの新工場に最大300億米ドルを共同投資することを発表した。今回のApolloとの取引は、2つ目のSCIPとなる。
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