世界の半導体工場における生産能力は、2025年に月産3370万枚(200mmウエハー換算)となり、過去最大規模に達する見通しだ。大手半導体メーカーによる2nmGAA(Gate-All-Around)チップ生産への投資などが、全体の生産能力を押し上げる。
SEMIは2024年6月18日(米国時間)、世界の半導体工場における生産能力が2025年に月産3370万枚(200mmウエハー換算)となり、過去最大規模に達するとの予測を発表した。特に、大手半導体メーカーは2nmGAA(Gate-All-Around)チップなどの生産準備を進めている。こうした最先端半導体への積極投資が全体の生産能力を押し上げる。
最新の「World Fab Forecast」レポートによれば、世界の半導体工場における生産能力は、2023年に2022年比で5%増加し、2024年には前年比6%増、2025年には同7%の増加を見込む。こうした背景には生成AI向け最先端デバイスの需要拡大などがある。中でも、5nm以下の生産能力は、2024年に同13%成長する見通し。2025年には、Intel、Samsung、TSMCなどがGAAチップの生産を始める計画もあり、同17%も増加すると予測した。
SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manocha氏は、「クラウドコンピューティングからエッジデバイスに至るまで、AI処理が普及することにより高性能チップの開発競争が加速し、世界の半導体生産能力は力強く拡大する。AIを搭載することで多様なアプリケーションの半導体搭載量が増加し、それが将来の投資を促進する」とコメントした。
同レポートでは、地域別の生産能力もまとめている。中国では2024年に月産885万枚となり15%増加した。2025年には14%増加し月産1010万枚に達する見通しで、2桁成長を持続する。この規模は世界市場のほぼ3分の1を占める。「Huahong Group」や「Nexchip」「Sien Integrated」「SMIC」といった主要ファウンドリと、DRAMメーカーの「CXM」が大きな設備投資を予定している。
2025年の生産能力について、台湾は前年比4%増の月産580万枚、韓国は同7%増の月産540万枚、日本は同3%増の月産470万枚と予測した。この他、米州は同5%増の月産320万枚、欧州・中東は同4%増の月産270万枚、東南アジアは同4%増の月産180万枚と続く。
製品分野別生産能力は、ファウンドリ分野が2024年に同11%増、2025年に同10%増となり、2026年には月産1270万枚規模に達する見通し。メモリ分野は、2024年が横ばい、2025年に同5%の増加を見込む。
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