自動車部品や産業機械用部品などのアクセスソリューションズセグメント(旧ユーシン事業セグメント/以下、AS)は、車載デバイスは増収となったものの、中国市場での販売が低迷したことなどから、売上高は前四半期比1.8%減の815億円となった。一方、営業利益は同31.6%増の30億円、営業利益率は前四半期比1.1ポイント増の3.7%となった。
なお、今回同社はドアロック、モーター、センサー技術を組み合わせ、タッチセンサー操作による電動ロック/アンロックを可能とする「ウィングハンドル」がBMWに採用されたことを紹介。同社は、保有するコア技術と先端技術をかけあわせる『相合(そうごう)』に取り組んでいるが、「『相合』による高付加価値製品の開発の成果が結実した」とし、さらなる成長への期待を示していた。
ベアリングやアッセンブリーなどのプレシジョンテクノロジーズセグメント(旧機械加工品セグメント/以下、PT)の売上高は前四半期比7.8%増の627億円となった。営業利益は同18.4%増の130億円、営業利益率は同1.9ポイント増の20.8%だ。
製品別では、ボールベアリングは、主にデータセンターなどに使用されるファンモーター向けが回復したことから、売上高が同8.1%増の424億円となった。ロッドエンドファスナーは同3.8%増の144億円、PMC(プレシジョンメカニカルコンポーネント)は同17.2%増の58億円となった。
2024年度第1四半期業績は、期初予想比で売上高が205億円、営業利益が30億円上振れて着地している。セグメント別でみると、売上高においては、PTはデータセンター市場が底入れからの回復基調だった他、航空機向けが堅調に推移し、期初予想比+47億円となった。MLSは、電子デバイスは想定を下回ったものの、HDDモーターや車載モーターを中心にモーターが想定を上回り、結果、同+41億円で着地した。SEは、主に機構部品、光デバイスで想定を上回り、同+92億円。ASも車載デバイスが想定を上回り、同+25億円となった。営業利益についても、PTは主にベアリングの生産数量回復の影響から同+15億円、MLSは製品ミックス改善によって同+6億円、SEは増収効果などから同7億円とそれぞれ想定を上回った。ASは、営業利益については想定通りで着地した。
同社は2024年5月の決算発表時、2024年度通期の売上高が前年度比7.0%増の1兆5000億円、営業利益が同36.0%増の1000億円、純利益が同31.4%増の710億円となり、売上高/営業利益ともに過去最高を更新するという予想を発表していたが、今回、第1四半期の業績を考慮し、売上高を600億円、営業利益を30億円、それぞれ上方修正した。また、貝沼氏は、「(市場環境は)間違いなくコロナ前にほぼ戻った。第2四半期の手応えも非常に強いものがある」と期待をみせた一方、直近で急激な変動をみせる為替の動きに触れ「第2四半期以降の判断はもう少し時間をいただいた方がいいだろう」と述べていた。
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