富士フイルムは、ネガ型の極端紫外線(EUV)に向けたフォトレジストと現像液の販売を始める。これに合わせ、静岡と韓国平澤の2拠点でEUVレジストとEUV現像液の増産および品質評価に必要な設備を増強する。
富士フイルムは2024年10月29日、ネガ型の極端紫外線(EUV)に向けたフォトレジストと現像液の販売を始めると発表した。これに合わせ、静岡と韓国平澤の2拠点でEUVレジストとEUV現像液の増産および品質評価に必要な設備を増強する。
同社は、ネガ型レジストの現像工程である「NTI(Negative Tone Imaging)プロセス」を開発、ArF露光を用いた製造工程で広く活用されている。さらに今回は、先端半導体製造プロセスに用いられるEUV向けに進化させたNTIプロセスに対応する「EUVレジスト」と「EUV現像液」の販売を始めた。
ネガ型のEUVレジストは、レジストの反応を制御できる光分解性クエンチャー連結型光酸発生剤(PCP)を導入した。これにより、EUV露光時にレジスト膜中の酸濃度を均一に保つことができ、回路パターンのばらつきを従来に比べ約17%低減できるという。
NTI現像液も、従来のアルカリ現像液ではなくEUV向けに高純度有機溶剤を用いた。これにより、現像時に生じるレジストの膨らみを抑えることができ、高いパターニング精度を実現した。
富士フイルムは、EUV向けのレジストと現像液の販売に合わせ、2拠点の生産能力を増強し、ユーザーに対する供給責任を果たしていく。静岡拠点では、EUVレジストの製造能力と品質評価機能を強化するために必要となる最新鋭の生産設備および検査装置を導入する。
韓国平澤拠点では、EUVレジストとEUV現像液の製造能力および品質評価機能を増強するため、クリーンルームの設置と最新鋭の生産設備、検査装置を導入することにしている。2拠点での設備稼働は2025年10月の予定。
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