25年の半導体材料市場は好調 28年には840億ドルに : CAGR5.6%で拡大
米国TECHCETによると、世界の半導体材料市場は2023年〜2028年まで年平均成長率(CAGR)5.6%で成長し、2028年に840億米ドルを超えるという。AI関連デバイスの需要がけん引する。
電子材料市場およびサプライチェーン分析を専門とする米国のTECHCETは2025年1月14日(米国時間)、世界の半導体材料市場が2023年〜2028年まで年平均成長率(CAGR)5.6%で成長し、2028年に840億米ドルを超えるという予測を発表した。AI関連デバイスの需要がけん引役となるという。
半導体材料市場の成長予測[クリックで拡大] 出所:TECHCET
TECHCETによると、2024年の同市場は、フロントエンドの「プロセス材料」が回復をけん引し、前年比約7%増となり、その後2028年までCAGR7%で成長する見込みだという。なお、同社が追跡している全プロセス材料の中で原子層堆積法(ALD)/化学気相成長法(CVD)、リソグラフィー材料、CMP補助材料およびウエハーについては2025年、それぞれ10%以上と高い成長を予測。同社は「注目すべきは、ウエハーセグメントの収益パフォーマンスが、主に大口径製品によるサプライチェーンの更新によって、力強い回復を示していることだ」と説明している。
TECHCETは、2025年はテクノロジーや特定材料および半導体製造装置に対する輸出規制が強化され、特に米国と中国の間で地政学的緊張が継続的に続くと予測。それでも、半導体市場はAIの継続的な進歩にけん引され、最終的にはコンピューティング、自動車、モバイルなど、全ての市場の回復に支えられることで、堅調に成長するとしている。同社は、民生機器やPCおよび自動車分野は、2025年上半期は「緩やかなスタートを切る」ものの、同年下半期には好調となり、半導体材料市場全体としては、2025年は前年比8〜10%の範囲で増加すると予想している。
静岡に半導体パターニング材料開発の新設、メルク
ドイツの化学大手Merck(メルク)は、静岡事業所(静岡県掛川市)内に先端材料開発センター(AMDC)棟を建設する。2026年に運用を始める予定で、半導体パターニング材料の開発力を強化する。投資額は7000万ユーロ超(約100億円)だ。
富士フイルム、熊本でCMPスラリーの生産能力増強
富士フイルムは、熊本県菊陽町の生産拠点で、半導体表面を平たんにする研磨剤「CMPスラリー」の生産設備を増強したと発表した。増設ラインは2025年1月より稼働の予定。これにより、同拠点におけるCMPスラリーの生産能力は約3割増える。
EUV用フォトマスク上で2nm以降の微細パターン解像に成功、DNP
大日本印刷(以下、DNP)は2024年12月12日、EUV(極端紫外線)リソグラフィに対応した、2nmプロセス世代以降のロジック半導体向けフォトマスクに要求される微細なパターンの解像に成功したと発表した。さらに、高NAに対応したフォトマスクの基礎評価が完了し、評価用フォトマスクの提供も開始したという。
住友化学、6インチGaN on GaNウエハー量産技術の早期確立へ
住友化学は、パワー半導体に向けた「6インチGaN on GaNウエハー」の量産技術を早期に確立していく。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める2024年度「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」において、「パワーエレクトロニクス用大口径GaN on GaNウエハーの開発」が採択された。
「業界初」中国SICCが300mmのSiC基板を発表
中国のSiC基板メーカーSICCが、「業界初」となる300mmのSiC基板を開発した。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大級のエレクトロニクス展示会「electronica 2024」および併催された「SEMICON Europa 2024」で発表した。
富士フイルム、EUV向けレジストと現像液を販売
富士フイルムは、ネガ型の極端紫外線(EUV)に向けたフォトレジストと現像液の販売を始める。これに合わせ、静岡と韓国平澤の2拠点でEUVレジストとEUV現像液の増産および品質評価に必要な設備を増強する。
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