日本金属は、エッチング後の反りを大幅に軽減し、結晶粒径の微細化も実現したエッチング用ステンレス鋼「STA仕上」を開発した。5G(第5世代移動通信)システムやモバイル機器、半導体関連などの用途に向ける。
日本金属は2025年8月、エッチング後の反りを大幅に軽減し、結晶粒径の微細化も実現したエッチング用ステンレス鋼「STA仕上」を開発したと発表した。5G(第5世代移動通信)システムやモバイル機器、半導体関連などの用途に向ける。
同社はこれまで、「高い平たん度」や「低残留応力」「加工後の形状安定性」などに優れたステンレスばね材として「TA仕上」を供給してきた。STA仕上はこれを進化させた製品。
その1つが、ハーフエッチング工程でこれまで課題となっていた、ばね材の反りを大幅に軽減したことである。これにより、形状安定性を飛躍的に向上させた。もう1つは、結晶粒径を微細化したことである。エッチング面をスムーズにできるため、高精細で微細な加工を必要とする用途にも対応できるようになった。
これらの特長から、加工工程の省略や簡素化が可能となり、顧客の製造プロセスにおいて、エネルギー効率の向上や環境負荷の軽減を実現できるという。同社では、新製品を環境配慮製品「エコプロダクト」と位置づけ、新たな価値を顧客に提案していく。
「STA仕上」は、厚みが0.1〜0.5mm、幅が最大600mmである。鋼種としては「SUS304」「SUS301」「SUS430」などを用意している。なお、結晶粒微細鋼は「SUS304」のみの提供となる。
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