ソシオネクストは、RTLレベルで設定を変更できるチップレット設計ライブラリ「Flexlets(フレックスレッツ)」を発表した。機能が固定された従来のチップレットとは異なり、進化したFlexletsは顧客の要求に応じて性能や機能を柔軟に最適化できる。
ソシオネクストは2025年10月、RTLレベルで設定を変更できるチップレット設計ライブラリ「Flexlets(フレックスレッツ)」を発表した。機能が固定された従来のチップレットとは異なり、進化したFlexletsは顧客の要求に応じて性能や機能を柔軟に最適化できる。
チップレットは、これまで1チップに集積した大規模な回路を、あえて機能ブロックごとに複数の小さなチップに分割し、これらをまとめて1つのパッケージに実装する技術。異なるプロセスノードで製造されたチップを組み合わせて性能を高めたり、開発コストを低減したりできる。歩留まりを向上させることも可能となる。ただ、チップレットの多くは機能が固定されたASSP向けを前提に設計されていて、顧客がカスタマイズなどを行うには制約があった。
Flexletsでは、こうした課題を解決することが可能になった。FlexletsはRTLレベルでカスタマイズすることができる。しかも、あらゆるベンダーのIPを用いることができる。これらを統合すれば、最新のコンピューティングやネットワーク、車載システムなどに最適な機能や性能、電力効率を備えた半導体デバイスを実現できる。
さらに全てのFlexletsが、CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)やSoW-X、EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)、3Dスタッキングを含む2.5D/3Dパッケージ技術、5/3/2nmの先端プロセスノードおよび、UCIe、UALink、PCIe Gen7、Ultra Ethernetといった業界規格に対応している。
ソシオネクストは現在、Flexletsベースで設計したエンジニアリングサンプル品を開発中で、2025年度中には顧客向け製品の設計を始める予定だ。さらに、セキュリティ機能やデバッグ機能を備えたFlexletsを順次拡大していく方針。また、チップレット設計用ツールも近日中に公開する予定だという。
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