こうした課題を打破すべく、OSRDAの一形態として新たに展開するのがCADNだ。コネクテックジャパンおよびパートナー企業が持つ技術を活用し、ベース基板やTSV、層間膜、配線層数といった一つ一つの要素を、顧客の要望に沿って自在に組み合わせて提供する。顧客のニーズに沿って、パートナー企業や技術をアメーバのように結合することから、“Chiplet Ameba Development Network”と名付けた。
CADNのメリットは多い。まずは少量でも対応可能ということだ。さらに、多数のパートナー企業でチップレット集積への技術開発や生産を分業するので、パートナー企業は少ないリソースや投資でCADNのサービス提供に参加できる。1つの工程を複数のパートナー企業で分担できるので、災害時のリスクも最小化しやすい。特定地域に工場や人材、インフラが集中してしまうことも避けられる。
レガシープロセスの前工程ラインを活用できることも大きい。「センサーなどは小径ウエハーでも十分に対応できる場合も多い。レガシーな前工程は決して“死に体”ではない」と平田氏は強調する。
平田氏はCADNについて「チップレット実装への要求が非常に強く、予定よりも前倒しでサービス提供を開始した」と語る。
CADNを推進するに当たり、2025年11月7日にはパートナー企業の1社である日清紡マイクロデバイスと覚書を締結した。これにより、福岡県や佐賀県、埼玉県などに位置する日清紡マイクロデバイスの半導体工場4拠点を活用できるようになる。
コネクテックジャパンは「SEMICON Japan 2025」(2025年12月17〜19日、東京ビッグサイト)で、CADNのサービス内容を披露する予定だ。
TSV/RDL受託開発で「次のNVIDIA」登場を加速 コネクテックジャパン
次世代磁気メモリにつながる材料を開発、東京科学大ら
「技術絶やさないで」 中国勢が躍進するSiC市場、日本の勝ち筋を探る
25年3Qの半導体企業ランキング、ソニーが51%売上増で12位に
光電融合で「光チップレット」実現へ NTTが2030年代のIOWN構想語る
LPDDRが足りない AIブームで価格高騰Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング