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市場は低成長でも中身は超進化! 最新スマートウォッチを分解この10年で起こったこと、次の10年で起こること(99)(3/3 ページ)

» 2026年01月22日 11時00分 公開
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SamsungとHuaweiの最新スマートウォッチを分解

 図6は2024年(2025年モデルのプロセッサも同じものを搭載)に発売されたSamsungの「Galaxy Watch7」の様子である(発売時期を明確にするため、あえて2024年モデルを掲載した)。内部にはSamsung独自のプロセッサ「EXYNOS W1000」が搭載されている。製造はSamsungの3nm GAA(Gate-All-Around)だ。構成はQualcommのW5とほぼ同じだが、3nm製造によって多くの機能を搭載できるようになっており、CPU、GPUコア数はW5よりも多い。

図6:2024年7月に発売された「Galaxy Watch7」[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図7は2025年2月に発売されたHUAWEIの血圧測定機能付きスマートウォッチ「HUAWEI Watch D2」の様子である。血圧測定用の加圧ユニット、カフなどを物理的に備えたものになっている。一般的な家庭用血圧測定器と同じ原理だ。過去には2019年、オムロンからウェアラブル血圧計(ウォッチ血圧計)「Heart Guide」が発売されておりMicro Blower Air Pumpは、今回報告のHUAWEIと同じ、村田製作所の製品が採用されている。ウォッチ血圧計の先駆者は間違いなくオムロンだが、スマートウォッチとしては基本機能しか備えておらずブレークはしなかった。

図7:HUAWEI Watch D2の加圧ユニット[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図8はHUAWEI Watch D2の内部の様子である。村田製作所のAir Pumpで加圧を行い、情報処理などはHUAWEI傘下の半導体メーカーHiSiliconの「KIRIN A1」プロセッサで行っている。最新モデルなので血圧測定だけでなく、生体センサーを組み合わせた各種ヘルス情報を処理できるものになっている。

図8:HUAWEI Watch D2の主要部品/チップ[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図9は2025年第4四半期に発売になったHUAWEIの新モデルだ。いずれもHiSiliconのプロセッサがメインで構成されている。2025年に登場した新プロセッサだ。新たなプロセッサが続々と生まれている。

図9:「HUAWEI Watch GT 6 Pro」「HUAWEI Watch Ultimate 2」の内部と主要チップ[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 スマートデバイスは低成長であるが、内部は止まることなく進化を続けているわけだ。今後も継続して観察していきたい。

 次回はNVIDIAの「Jetson AGX Thor」や「DGX SPARK」か、QualcommあるいはMediaTekの最新モバイルプロセッサを報告したい(どちらになるかは気まぐれで)

執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年にわたる半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


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