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土に返る「紙の電池」 シンガポール新興が量産開始CES 2026 現地レポート

シンガポールFlintが「CES 2026」でセルロースベースの電池を展示した。容量は80mAhで充電が可能。シンガポールの工場で量産を開始している。

» 2026年01月23日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 シンガポールの新興企業Flintは「CES 2026」(2026年1月6〜9日、米国ネバダ州ラスベガス)で、紙でできている薄型電池を公開した。同年1月2日、量産を開始したばかりの製品だ。

Flintの紙でできた電池Flintの紙でできた電池Flintの紙でできた電池 Flintの紙でできた電池。かなり薄く、曲げることも可能だ[クリックで拡大]

 セルロースをベースに、カルシウムとマグネシウムを用いた電池で、充電が可能。定格電圧は1.5Vと3Vの2種類がある。容量は80mAhで、Flintは「超低消費電力のIoT機器やセンサー、ラゲージタグなどのトラッキング用デバイスといった用途を想定している」と説明する。アクセサリーメーカーのNimbleは、Flintの電池を用いたトラッキング機能付きラゲージタグを発売済みだ。

Nimbleが発売したラゲージタグ Nimbleが発売したラゲージタグ(左)と、タグ用の充電器(右)[クリックで拡大]

 最大の特徴は、土に埋めると6週間で生分解することだ。機器に搭載されているうちは何も起こらないが、土に埋めると分解を開始する。金属が使われている部分などを除き、電池全体の約80%が分解される。分解されずに残った材料はリサイクルされるという。

電池が生分解されていく様子電池が生分解されていく様子 電池が生分解されていく様子。左から右に時間が経過している[クリックで拡大]

 「電池の構造はリチウムイオン電池と似ていて、製造プロセスもリチウムイオン電池とシームレスに統合できるようになっている。だがFlintの電池にはコバルト、ニッケル、リチウム、PFASといった環境負荷が高い物質が一切含まれていない」(Flint)。

Flintの段ボール製ブース Flintのブースはなんと段ボールでできていて、ここでも「環境への優しさ」をアピールしていた[クリックで拡大]

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