SSDの記憶容量当たり価格(ギガバイト単価)が低下する動きは、衰えを見せない。単価の高いエンタープライズ向けでも、2015年第1四半期から2016年第1四半期までの1年間で、かなりの割合で値下げが起こるというのがTRENDFOCUSの予測である。比較的単価の高いタイプほど、記憶容量当たりの価格の減少が激しい。
SSD全体でみると、2015年5月初めの時点で、ギガバイト単価は約0.40米ドルだと推定した。256GバイトのSSDに換算するとおよそ100ドル強になる。今後もNANDフラッシュメモリの製造コストの低減が順調に進んだ場合、2019年にはギガバイト単価は0.15米ドルにまで低下するという。これは256Gバイト換算で約38米ドル、512Gバイト換算で約77米ドル、1Tバイト換算で約153米ドルになる。このことは、2019年には記憶容量が512Gバイト〜1Tバイト以下の外部記憶装置は大半がHDDではなく、SSDになることを意味する。
TRENDFOCUSは、直近(2015年第1四半期)のSSD市場についても概観した。2015年第1四半期のSSD出荷台数は世界全体で2319万台である。内訳はクライアント向けが2096万台、エンタープライズ向けが223万台であり、出荷台数ベースではクライアント向けが9割強を占める。
SSDベンダーごとの出荷台数シェアは、トップがSamsung Electronicsで40.6%を占めた。トップからは大きく離されてSanDiskが12.4%で続く。
Samsungが出荷台数のシェアでトップなのは、クライアント向けでトップを占めていることが大きい。クライアント向けSSDのベンダー別上位ランキングはトップがSamsungでシェアは42.9%と競合ベンダーを圧倒する。2位はSanDiskで12.7%、3位はKingston Technologyで11.9%である。
エンタープライズ向けSSDのベンダー別上位ランキングはだいぶ様相が異なる。トップはIntelでシェアは35.7%と大きい。2位はSamsungで18.6%、3位はSanDiskとHGSTでいずれも10.0%を占める。
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