2011年7月の世界半導体市場は248億5000万米ドルで、アナリストたちの予測どおり、前月比で横ばいの状態となった。日本市場の売上高は前月比4.9%増と、他の地域に比べて高い成長率を記録したが、前年同月比では10.3%減になっている。
世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)の集計結果および米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)の報告結果によると、2011年7月における世界半導体市場の売上高は、248億5000万米ドルだった。2011年6月の売上高は246億8000万米ドルだったことから、ほぼ横ばいの状態である。また、2010年7月比では1.1%減となる。
ノルウェーの調査会社であるCarnegieでアナリストを務めるBruce Diesen氏は、2011年7月における世界半導体市場の売上高を248億米ドルと予測していたほか、半導体業界のアナリストであるMike Cowan氏は250億米ドルと見込んでいた。このため今回の結果は、ほぼアナリストたちの予測どおりだったことになる。また、日本市場は今回、WSTSが追跡している地域市場の中で最も成長率が高く、回復の兆しを見せている。
2011年7月における日本の半導体売上高は、前月比で4.9%増となる34億7000万米ドルだった。その一方で、米国や欧州、アジア太平洋地域といった他の地域では、売上高が減少し、通常の季節的な傾向に反する形となった。
ただし日本市場は、2011年7月は回復傾向を見せたものの、前年同月比では10.3%減という結果になっている。一方、欧州は前年同月比で0.7%増、アジア太平洋地域では同1.5%増と、それぞれわずかながら増加した。
なお、売上高は3カ月平均値である。すなわち、2011年7月の売上高は、同年5月〜7月の売上高の平均値となっている。
SIAのプレジデントを務めるBrian Toohey氏は、発表資料の中で、「世界経済が不安定な状況だったことから、半導体業界は過去数カ月にわたり成長率が鈍化していた。しかし、2011年後半はホリデーシーズンなどの季節的な要因もあり、売上高が伸びると期待している」と語った。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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