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20代技術者の過半数が「海外で働いてみたい」、メイテックが意識調査まとめるビジネスニュース

メイテックが実施した製造業のエンジニアに対する意識調査から、20代エンジニアの海外志向が高いことが明らかになった。この他、エンジニアとして働き続けたいが、日本の将来の技術力を不安視しているという複雑な心境も見えてきた。

» 2012年01月06日 08時00分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 技術者派遣業のメイテックが2011年12月にまとめたエンジニアの意識調査によると、20代エンジニアの海外での勤務意向は51%と、全世代の31%を20ポイントも上回る結果となった。

 この意識調査は、機械や電気、電子分野の設計・開発、組み込みソフトウェア開発といった製造業のエンジニアを対象に、「就社・就職理由」や「プロ意識」、「今後身に付けたいスキル」、「エンジニア継続意向」、「グローバル化への関心・勤務意向」、「日本の技術力に対する考え」といった項目について聞いたもの。2011年10月28〜31日の期間にインターネット調査を実施し、1000人の有効回答を得た。

 海外で勤務したいかと尋ねた設問では、「ぜひ働きたい」と「まあ働きたい」を合わせた割合が、30代前半では26.1%、30代後半では29.4%、40代前半では27.5%、40代後半は30.4%とほぼ30%を下回る割合だったのに対して、20代では51.0%に達した。職種別では、マイコンシステム分野が37.5%と海外での勤務意向が最も高く、情報処理分野が28.3%と最も低かった。

将来を不安視する回答も

 この他、就社・就職理由や、エンジニア継続意向、日本の技術力に対する考えといった設問からは、エンジニアとして働き続けたいが、日本の将来の技術力を不安視しているという複雑な心境も見えてくる。

 まず就社・就職理由については、「自分のやりたい仕事ができると思ったから」が全体の46.2%と最も高く、「収入を得るため・給与をもらうため」が36.9%、「自分の能力・技術を磨くことができると思ったから」が26.8%と続く。エンジニア継続意向に関しては、「一生続けていきたい」と「できれば続けていきたい」の回答を合わせると全体の80%に達する。

 このようにして、就社・就職理由やエンジニア継続意向を聞く設問では、やりたい仕事ができる、エンジニアを続けていきたいといった積極的な回答が多数を占めた一方、日本の技術力に対する考えを聞く設問では、消極的な意見が目立った。

 具体的には、「(現在)日本の技術力・モノ作りは世界をリードしている」と答えた回答者は全体の52.1%に達するが、「将来、日本の技術力・モノ作りは世界をリードする」と答えた回答者は34.5%に下がる。さらに、「子供には(子供がいたとしたら)、エンジニア・技術者になってほしい」と答えた回答者は、「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせて25.7%にとどまり、「日本の将来は明るい」と答えた回答者はわずか9.2%だった。

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